研究課題/領域番号 |
21K08991
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 一樹 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (60623254)
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研究分担者 |
角谷 寛 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (90362516)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 |
研究実績の概要 |
世界的に不眠症の有病率は高いが、不眠改善が痛みの改善に影響するとの縦断研究報告や、睡眠の短縮が1次体性感覚野の過敏性をもたらすという報告がなされ、睡眠と痛みは互いに影響を及ぼすと考えられるようになっている。動物実験においても、睡眠の分断化と痛みに対する過敏性の関係や、オレキシン神経細胞欠失ナルコレプシーモデルマウスにおいて痛覚過敏が増加するなどの報告がなされ、睡眠と痛覚過敏・知覚過敏の間に関連があることが示されている。 当院、睡眠センターは、睡眠時無呼吸症候群(以下OSA)やナルコレプシーなどの睡眠障害に対し、ポリソムノグラフィー(以下PSG)を用いた睡眠の量と質について客観的な評価を行っている。中でもOSA患者が最も多いが、OSAは、日中の眠気や生活習慣病との関連のみでなく、近年、慢性疼痛との関連についての報告も散見されるようになっている。 しかし、OSAを含め睡眠障害に対する痛みの臨床的な評価方法は、ほとんどが質問回答形式によって行われており、慢性疼痛においての、知覚過敏の亢進は指摘されてはいるものの、これまで電流知覚閾値を用いた客観的な検査方法で知覚過敏に関係することを示したものはない。 ここで、OSA治療として持続陽圧呼吸療法(以下CPAP)を導入した患者に対し、治療前後の電流知覚閾値を測定し、知覚過敏がCPAP治療開始後に緩和されるかどうか、客観的な数字で示すことを目的とした。CPAP導入による睡眠の改善が、知覚過敏性を緩和することを明らかにすることは、疼痛治療においてしばしば問題となる知覚過敏に対し、睡眠治療を積極的に取り入れていく客観的な根拠となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
倫理審査委員会の了承後、2021年10月より研究をスタートさせた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により研究対象となる新患患者の受け入れが現在滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究参加人数は当初の予想人数をかなり下回っているが、引き続き研究を継続中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加費として、合計48000円をその他に計上した。
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