研究課題/領域番号 |
21K08992
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植松 弘進 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70467554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | パルス高周波法 / 変形性膝関節症 / 膝痛 / pulsed radiofrequency / PRF / 超音波ガイド下神経ブロック / 伏在神経 |
研究実績の概要 |
変形性膝関節症患者を対象に、超音波ガイド下伏在神経パルス高周波法(PRF)に関する二重盲検プラセボ対照比較試験を行い、その有効性を検証した。膝関節内側前面に、3ヶ月以上続く、保存的治療に抵抗性で、中等度以上の痛みを有する膝OA患者を対象とし、PRF群とプラセボ群に無作為に割り付けた。PRF群には42℃以下で計8分間超音波ガイド下伏在神経PRFを施行し、プラセボ群にはシャム刺激(3Hz 0.5Vの単刺激)を計8分間行なった。主要評価項目としてVASを、副次評価項目として膝関節可動域、Time Up and Go test、膝外傷と変形性膝関節症評価点数(KOOS)を用いた。各項目を介入前と1、4、12週間後に測定し、群間比較を行なった。最終的に70名の患者が解析対象となった(PRF群37名、プラセボ群33名)。多変量線形回帰分析の結果、12週間後のVASについて2群間に有意差があった(p<0.05)。その他に有意差がある項目はなかった。また、知覚異常や筋力低下などの合併症は認められなかった。超音波ガイド下伏在神経PRFは膝OAにおける難治性膝痛を12週間軽減し、安全性も高いことが示された(Uematsu H et al. A double-blind randomized placebo-controlled study of ultrasound-guided pulsed radiofrequency treatment of the saphenous nerve for refractory osteoarthritis-associated knee pain. Pain Physician 2021; 24: E761-E769)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
末梢神経パルス高周波法が人工膝関節置換術を受ける前の変形性膝関節症患者における疼痛コントロールに関して有効であることを示すことは、本研究課題に必須の前提であり、エイビデンス確立のため上記論文投稿を行なった。しかし、コロナ禍の影響で、変形性膝関節症患者に行われる人工膝関節置換術の施行件数が著しく減少したことが原因となり、本研究課題である「末梢神経パルス高周波法を用いた人工膝関節置換術後遷延性術後痛の予防法開発」の着手を見送っている。また、年度の途中で研究責任者が異動となったことも研究着手の遅れの原因となっている。現在は研究実施体制を見直し、研究実施施設の倫理審査委員会承認のための準備を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
まず、研究実施施設における臨床研究倫理審査委員会での承認を目指し、書類作成を行う。倫理委員会の承認が得られた後に、研究に着手する予定である。ただし、未だコロナ禍収束の時期は未定であり、変形性膝関節症患者に施行される人工膝関節置換術を含めた状況によっては不急と判断される手術は見送られる傾向にある。従って、当初の予想より被験者のリクルートが遅れる可能性は十分にある。従って、今後は他施設との共同実施や、研究実施期間の延長を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により本研究課題で対象としている人工膝関節置換術の実施件数が著しく減少したこと、研究責任者が年度中に異動したことから、研究実施体制の変更や実施計画の変更をせざるを得なくなり、着手が遅れているため、使用機会が減った。次年度では、まずは研究実施施設の臨床研究倫理審査委員会への申請を行う。従って、倫理審査費用が必要となる。承認され次第、研究開始および被験者リクルート開始することを目標にする。しかし、未だコロナ禍収束のめどは立っておらず、被験者リクルートに大幅な遅れが生じることが予想される。従って、今後は他施設との共同研究とすることも検討する。他施設との連絡や話し合いを、オンラインで行うための環境整備が必要であり、そのための設備費用が必要となる。
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