帯状疱疹発症から30日以上90日未満で神経障害部位に痛みが残存する患者を亜急性期PHN、90日以上の患者を慢性期PHNと定義し、亜急性期及び慢性期PHN患者を対象として、試験的脊髄刺激療法と試験刺激前のfunctinal MRIを用いた安静時脳機能画像の撮像を行った。脊髄刺激療法が有効であった患者と有効でなかった患者の治療前の脳機能的結合の差異、有効であった刺激法と治療前の脳機能的結合の特徴を解明するためのデータの集積を行った。本研究は現在も続行中であるが、目標症例数に達していないためデータの解析は行っていない。一方、帯状疱疹後神経痛で、試験的脊髄刺激療法と試験刺激前のfunctinal MRIを用いた安静時脳機能画像の撮像を行った症例の中で本試験に参加しなかった症例と、帯状疱疹後神経痛以外の難治性神経障害性疼痛の患者で、同様に試験的脊髄刺激療法と試験刺激前のfunctinal MRIを用いた安静時脳機能画像の撮像を行った症例のデータを集積し、試験的脊髄刺激療法の有効性と事前の安静時脳機能画像より得られた安静時脳機能結合との間に相関があるかを解析した。 慢性神経障害性疼痛患者における試験的脊髄刺激療法の有効性と非有効性を、事前の脳機能画像の特徴で比較した報告はこれまでにない。この報告は現在「Resting-state brain functional connectivity in patients with chronic intractable pain who respond to spinal cord stimulation therapy: A Retrospective Observational Study」という表題で、英文誌に投稿中である。
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