研究課題/領域番号 |
21K08994
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
今町 憲貴 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40325048)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オピオイド / かゆみ |
研究実績の概要 |
フェンタニルやモルヒネなどのオピオイドの脊髄くも膜下腔投与により強力な鎮痛効果が得られる。しかし、臨床において脊髄くも膜下に投与したモルヒネやフェンタニルの副作用として30-90%の患者に痒みが生じることが知られている。現時点で臨床においてオピオイドによる痒みに対して有効な治療法は確立されていない。先行研究でマウスにおいてκオピオイド受容体 (KOR) 作動薬がモルヒネによる痒みを軽減することを明らかにしてきた。しかし、完全にモルヒネによる痒みを抑制したわけではなかった。ヒスタミンを投与後にAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬を脊髄くも膜腔に投与するとマウスの痒み行動が抑制されることが知られている。われわれはこれまでにラットにAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬を脊髄くも膜下投与して鎮痛効果を明らかにしてきたが、モルヒネによる痒みに対してAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬が鎮痒効果を示すかどうかは不明である。本研究では、モルヒネにより生じる痒みに対してAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬が有効であることを調べ、AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬とKOR作動薬との相互作用を検討することでモルヒネによる痒みに対する多様性鎮痒効果を明らかにする。また、AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬によるKOR作動薬、およびモルヒネの脊髄レベルでの鎮痛効果の増強作用を調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
転勤により実験系の体制を整えるのに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
実験系の体制を整える。体制が整えばマウスでの脊髄くも膜下モルヒネによる痒み行動を調べる。モルヒネとAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬を脊髄くも膜下に投与してAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬の鎮痒効果を確認する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
転勤に伴い、実験体制の再構築が必要となり実験が大幅に遅れが生じているため。 再スタートするための計画として、パソコン、実験器具などの購入をして研究に備える予定である。
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