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2021 年度 実施状況報告書

バーチャルヒューマンモデルを用いた一次救命処置の改良・開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K08997
研究機関山口大学

研究代表者

若松 弘也  山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (80379966)

研究分担者 高瀬 泉  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30351406)
松本 美志也  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60243664)
陳 献  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70313012)
大木 順司  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (80223965)
西田 周泰  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90535262)
亀谷 悠介  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90829516)
森岡 智之  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (00893869)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードバーチャルヒューマンモデル / 一次救命処置 / 胸骨圧迫 / トーションバー
研究実績の概要

令和3年度は、日本人に合致した再現性の高い胸部バーチャルヒューマンモデルを開発することを目標に定めた。そのためには、人体から胸郭の骨成分だけでなく、胸腔内臓器を採取して、その物性を工学的に測定する必要がある。そこで当初法医学教室での剖検症例から各臓器の検体を採取する予定であったが、司法解剖の遺体からの検体採取に関しては本人からの同意が困難であり、各方面と検討を重ねたが、倫理的な問題をクリアーできなかった。
次善策として、遺体を用いて胸骨圧迫の深さとそれに要した力の関係を調べた研究を検索して、その深さと力の関係を再現できる胸部バーチャルヒューマンモデルの開発を目標とした。胸郭の硬さを規定する因子は骨成分(胸骨、肋軟骨、肋骨、椎体)が中心であると仮定し、シンプルにするためにも、肺や心臓などの胸腔内臓器を含まないものとした。人体の骨成分の物性に関しては先行研究からデータを取得していたため、胸部バーチャルヒューマンモデルを試作することができたが、遺体を用いた胸骨圧迫の深さとそれに要した力の関係を再現できなかった。再現できない理由を軟骨や関節の動態に求め、コンピューターシミュレーションを繰り返して、いろいろな仮説の正当性を検証した。その結果、椎体と肋骨の接合部分をトーションバーとすることで、人体と類似した力学動態を示すことを発見できた。
こうしてトーションバーの原理を用いて再現性の高い胸部バーチャルヒューマンモデルを完成させたことは、次年度以降の合併症の少なく効果的な胸骨圧迫の開発への道筋となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

法医学教室での剖検症例から各臓器の検体を提出してもらい、その物性を工学的に測定することにより、日本人に合致したバーチャルヒューマンモデルの作成を目指していた。しかし、司法解剖の遺体からの検体採取に関しては本人からの同意が困難であり、各方面と検討を重ねたが、倫理的な問題をクリアーできなかった。

今後の研究の推進方策

トーションバーの原理を用いた胸部バーチャルヒューマンモデルを用いて、胸骨圧迫の深さ、部位、テンポ、圧迫とその解除の時間比率や、圧迫の加速度など、より合併症が少なく効果的な方法がないかを検討する。
またそれらで得られた知見をもとに、自動胸骨圧迫装置でより有効な方法(例:ベルトの太さや巻く位置、圧迫と解除の時間比、圧迫の加速度など)を明らかにする。
更に、これまでにない自動胸骨圧迫装置の新たな設計(例えば、1)肋骨骨折などを防ぐために特殊なプロテクターを装置に加える、2)現在は胸骨を背側に向かって圧迫しているが胸部を左右から正中に向かって圧迫する、3)現在は間欠的に圧迫を行っているが、圧迫した状態をベースラインとし、間欠的に圧迫を解除する、など)を検討する。

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公開日: 2022-12-28  

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