研究課題/領域番号 |
21K08999
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小川 覚 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50636131)
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研究分担者 |
吉井 龍吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20898548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 血液凝固 / 抗血栓薬 / 活性型第XI因子 / 拮抗治療 / モニタリング装置 |
研究実績の概要 |
抗血栓性と出血リスクのバランスが抗凝固治療において重要とされる中、活性型第XI因子(FXIa)に着目した新規抗凝固薬が開発段階にある。本研究では、FXIa拮抗薬服用モデルを用いて各 種拮抗製剤の候補薬剤を決定する。 本年度は、先天性FXI欠損症血漿と健常人から得られた乏血小板血漿を用いて、FXIを対象とした抗凝固薬の血漿モデルを作成した。これを用いて、活性化部分トロンボプラスチン時間や全血凝固時間を測定した結果、FXI因子の濃度依存性に各種凝固時間が延長することが確認できた。また、エカリンによる内因系活性化試薬による包括的血液凝固テストでも、同様にFXI濃度のモニタリングが可能であることが明らかとできた。現在、抗XI因子のモノクローナル抗体によるモデル構築を目的としてさらなるモデル作成を行なっているが、ヒト血漿への親和性の高い薬剤の決定にやや時間を要している。今後、安定した血漿モデルが確立され次第、拮抗研究に関連した研究へさらに発展させたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は凝固因子欠乏血漿を用いたモデルに加えて、抗XI因子のモノクローナル抗体によるモデル作成をおこなったが、ヒト血漿への親和性の高い薬剤の決定にやや時間を要している。そのため、実験進捗はやや遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
抗XI因子のモノクローナル抗体によるモデル作成に時間を要しているが、これらが解決され次第に研究を発展させる。作成されたモデルを用いて各種凝固時間およびトロンビン生成試験を行い、さらには各種拮抗治療による拮抗効果の評価実験へと進展させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、血漿モデル作成に使用するモノクローナル抗体の決定に苦慮したことから実験の進捗がやや遅延している。モデル作成が安定的に行われ次第に、データ取得を開始予定としている。
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