研究課題/領域番号 |
21K09005
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
池田 浩平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60792471)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 水素 / ナノバブル水 / 心停止後症候群 / 虚血再灌流 / 活性酸素 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、全身虚血再灌流傷害であるマウス心停止蘇生モデルを用いて、水素ナノバブル水がマウスの生命予後と脳神経学的評価においてどの程度効果があるのかを解明し、ガスキャリアとしてのナノバブルの有用性を検証することである。2021年度はマウス心停止モデルにおける水素ナノバブル水の生存率改善効果について検証した。具体的には水素ナノバブル水のみを蘇生処置前の 7日間飲水させたマウス群と対照群(水道水のみを蘇生処置前の 7日間飲水させたマウス)に心停止蘇生処置を施し、10日間の生存率を比較したところ、有意に水素ナノバブル水飲水群において生存率と神経学的スコアが改善した(研究計画書の蘇生実験①)。一方で、自己心拍再開1 分後に水素ナノバブル生食群では水素ナノバブル生食を、0.9%生理食塩水群ではテルモ社製生理食塩水を40分かけて経静脈的に1ml投与するという蘇生実験②においては水素ナノバブル生食の生存率改善効果は認めなかった。この結果から、大量の活性酸素が放出される虚血再灌流時は、十分量の水素ナノバブルが血中に存在していないとその効果が発揮されないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画ではマウス心停止蘇生モデルにおける生存率と神経学的スコアリングの検証を予定しており、計画通りに実験を遂行した。
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今後の研究の推進方策 |
水素の主たる生理活性作用として活性酸素の除去に注目し、蘇生後マウス脳における活性酸素代謝物4-hydroxy-2-nonenalの免疫組織学的評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に計画していた免疫組織学的実験を選考して開始するにあたり、必要試薬購入費として次年度研究費の一部を請求し、使用させてもらった
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