研究課題/領域番号 |
21K09048
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中原 貴志 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10560956)
|
研究分担者 |
藤田 基 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50380001)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 熱中症 / 水素吸入療法 / Nアセチルシステイン |
研究成果の概要 |
ラット熱中症モデルで、Nアセチルシステイン(NAC)およびNAC+水素ガス(H2)吸入の効果を検討した。NACは乳酸アシドーシスによるアシデミアを有意に抑制し、平均動脈圧の低下を抑制した。また、NACは、ASTおよびHMGB1を有意に抑制した一方で、ALTやsICMA-1の抑制効果は限定的であった。組織傷害の評価ではNACは肝および肺傷害を有意に増加させていた。水素ガスの併用は、肺傷害を抑制したが、肝傷害は抑制しなかった。NACは炎症性マーカーや乳酸アシドーシスを抑制し、平均動脈圧の低下を抑制する効果を示した。また水素の併用効果により、全身性炎症反応の抑制効果が示唆された。
|
自由記述の分野 |
emergency medicine
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Nアセチルシステイン(NAC)はラット熱中症モデルにおいて局所組織の保護作用を示さなかったが、全身性炎症反応を抑制し、平均動脈圧を改善する効果があることが示された。また水素の併用効により、全身炎症の抑制効果が示唆された。以上の結果から、NACは局所の傷害を抑制する効果より全身性の炎症反応の抑制効果のほうが高く、また水素ガス併用によりその抑制効果を増強できる可能性が示された。NACおよび水素ガス併用は臓器障害が生じる前の全身性炎症反応が生じる時期において熱中症の有効な治療法となりうることが示唆された。
|