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2021 年度 実施状況報告書

カルシウムハンドリング制御による敗血症性心筋症の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21K09050
研究機関長崎大学

研究代表者

吉富 修  長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (30380926)

研究分担者 関野 元裕  長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード敗血症性ショック / 敗血症性心筋症 / カルシウムハンドリング / 心室圧容積曲線
研究実績の概要

依然として死亡率が約30%と高い敗血症患者の予後に敗血症早期から起こる心筋収縮および拡張障害の存在が影響を及ぼすことが示唆されているが、有効な治療法も確立されていないのが現状である。敗血症心筋症の機序として心筋細胞内カルシウム(Ca2+)濃度の調節、すなわちカルシウムハンドリングの障害が注目されつつあるが、まだ明確な結論は得られていない。
一方、不全心においては、カルシウムハンドリングの破綻が大きく関与しており、細胞内Ca2+濃度に関与するNa+/ Ca2+交換体(NCX)、筋小胞体膜を介した細胞内Ca2+濃度の調節を担っているCa2+ポンプATPase(SERCA2a)、ミトコンドリアにおけるCa2+濃度調節を行うmitochondrialpermeability transition pore(mPTP)について色々と研究されているが、敗血症心筋においてはまだ不明な点が多い。
本研究では、ブタおよびラットの敗血症モデルを用いて心力学的評価および分子細胞学的評価を行うことで、敗血症心筋におけるCa2+制御蛋白の関与を明らかにすることを目的とする。
令和3年度は、ブタおよびラットの敗血症モデルを作製し、P-V計測カテーテルを用いた心筋収縮および拡張機能の評価を行った。今後は心筋細胞内のCa2+濃度調節に関わる薬剤を敗血症状態へ投与し、その後の心力学的評価および分子細胞学的評価により敗血症性心筋症のメカニズムを明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、まずはブタおよびラットの敗血症モデルを作製し、P-V計測カテーテル(ADVantage,PRIMETECH)を用いた心筋の収縮および拡張機能の評価を行ったため。

今後の研究の推進方策

ブタおよびラットの敗血症モデルを用いて、心筋細胞内のCa2+濃度調節に関わるNCX、SERCA2a、mPTPをターゲットとするそれぞれの薬剤KB-R7943、Istaroxime、cyclosporine Aを敗血症状態へ投与し、その後の心筋収縮および拡張機能に与える影響を検討し、さらにそのメカニズムを解明する。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、ブタおよびラットの生体敗血症モデル作製を行い、実施予定であった心筋細胞内のCa2+濃度調節に関わる薬剤がブタおよびラットの敗血症心筋に与える影響に関する検討の一部を次年度に施行予定であることから次年度使用額が生じた(全体の進捗状況としては問題ない)。敗血症心筋に与える影響を検討するための試薬および検査費用、実験用動物、消耗品に使用予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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