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2022 年度 実施状況報告書

内毒素血症モデル豚における新規薬剤フザプラジブの呼吸循環機能改善効果

研究課題

研究課題/領域番号 21K09054
研究機関酪農学園大学

研究代表者

伊丹 貴晴  酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (90724203)

研究分担者 華園 究  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (00737992)
宮庄 拓  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (50568996)
佐野 悠人  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (90806887)
四釜 洋  石原産業株式会社 中央研究所, ヘルスケア事業本部, 部長 (00752445) [辞退]
吉田 稚加子  石原産業株式会社 中央研究所, ヘルスケア事業本部, 主任 (70752434)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードフザプラジブ / 内毒素血症モデル豚 / リポポリサッカロイド
研究実績の概要

フザプラジブ(FZP)は好中球の活性化を阻害することで血管内皮細胞への接着/浸潤を阻害して抗炎症効果を発揮する。本研究では、内毒素血症モデル豚にFZPを用い、その炎症抑制効果を検討した。
供試豚にリポポリサッカライド(LPS)80 μg/kgを30分間かけてIVし、LPS投与開始前および投与後240分まで全血球計算、生化学検査および炎症性サイトカインの測定を実施し、血中FZP濃度を測定した。供試豚にはLPS投与5分前よりFZP を前述の低用量(Low-FZP群: n=5)、高用量(1.34 mg/kg IV後に2.11 mg/kg/時間CRI, High-FZP群: n=5)または生理食塩液を投与した(対照群: n=5)。得られたデータは線形混合効果モデルで分析した。
LPS投与によって対照群1頭(130分目)およびLow-FZP群2頭(157分目、222分目)が斃死した。血中FZP濃度はLow-FZP群で0.09-0.27μg/mL(n=2)およびHigh-FZP群で2.84-12.57μg/mL(n=5)であった。すべての群でLPS投与後に同様に白血球数および血小板数は減少し、赤血球数は上昇した。また、すべての群で同様に血糖値および血清アルブミン濃度は減少し、肝および腎機能項目は上昇した。インターロイキン-6はHigh-FZP群で対照群より有意に低く推移した。呼吸循環系機能において、すべての群で心拍出量および血圧は低下し、心拍数が増加した。High-FZP群では対照群より血圧および全身血管抵抗が有意に高値を示し、対照群と比較して動脈血酸素分圧は有意に高値を示した。
本研究は血管内にLPSを投与して白血球数が急激に低下する劇症モデルであるが、敗血症などの全身炎症性疾患におけるFZPの臨床的有用性の検討が望まれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高用量フザプラジブ群の投与によって、内毒素血症モデル豚において一定の評価が得られた。病理組織診断の評価に遅れが生じているが、2023年度前半で解析終了予定である。

今後の研究の推進方策

内毒素血症モデル豚のフザプラジブ単独による炎症抑制効果の評価に加えて、リポポリサッカロイド投与とフザプラジブ投与の間隔、抗炎症作用をもつ薬剤との併用、リポポリサッカロイドおよびサイトカインの除去などを検討していく。

次年度使用額が生じた理由

概ね順調に計画は進行しているが、施設改修により2022年度において研究の遂行が滞った期間が生じた。2023年度はその期間分の研究を実施するとともに、リポポリサッカロイドとフザプラジブの投与間隔を見直す、リポポリサッカロイドの投与量を見直す、などのより臨床を想定したモデル作成を模索する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 内毒素血症モデル豚におけるフザプラジブの炎症抑制効果の検討: 呼吸循環器系への効果2023

    • 著者名/発表者名
      渋谷麻鈴
    • 学会等名
      第106回日本獣医麻酔外科学会
  • [学会発表] 内毒素血症モデル豚におけるフザプラジブの炎症抑制効果の検討: 血算・生化学検査および炎症性サイトカインへの効果2023

    • 著者名/発表者名
      加藤美喜
    • 学会等名
      第106回日本獣医麻酔外科学会
  • [学会発表] 内毒素血症モデル豚におけるフザプラジブの炎症抑制効果の検討2022

    • 著者名/発表者名
      津久井春来
    • 学会等名
      第104回日本獣医麻酔外科学会

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公開日: 2023-12-25  

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