研究課題/領域番号 |
21K09056
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小野 聡 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30531355)
|
研究分担者 |
須田 慎吾 東京医科大学, 医学部, 助教 (30421093)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 講師 (30531636)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (70531391)
蒲原 英伸 東京医科大学, 医学部, 教授 (90398222)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 免疫抑制細胞集団 / 術後感染性合併症 / 敗血症 / 長期予後 |
研究実績の概要 |
重症病態時の生体反応、特に免疫抑制状態を解析するために敗血症患者を中心に検討した。解析項目は、末梢血白血球分画と免疫抑制細胞集団として注目している骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)である。その結果、敗血症患者では、リンパ球の割合が低下することは以前から指摘されているが、単球分画の割合が上昇している症例が多い。我々はこれまで敗血症では形態が変化した単球が増加していることを報告している。さらに敗血症患者の末梢血中CD11b+CD33+HLA-DR-CD14+細胞をフローサイトメトリーで解析したところ、健常人に比べ著明に増加していることが明らかになった。我々はこの細胞集団をMDSCと定義し敗血症患者の重症度や予後と関連していることを検討している。またMDSCについては、消化器がん手術患者を対象に、術後感染性合併症例と非合併症例でその推移を検討している。その結果、術後感染性合併症が臨床的に治癒し退院した後の外来にて(術後3、6か月後)その推移を検討したところ、術後3、6か月後には白血球数やCRP値は感染合併例と非合併例で差を認めなかったが、MDSCは感染合併例では依然高値で推移していた。つまり術後感染性合併症を来した症例では、術後数か月にわたって免疫抑制状態が継続していることが明らかになった。今後はこのように術後MDSC高値持続症例のがん手術後の長期予後との関連について検討する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫抑制細胞集団と敗血症、がん手術患者長期予後との関連については、観察時間が長いため十分なデータがまだとれていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
免疫抑制細胞集団の解析方法は確立したため、今後は臨床データ(経過、長期予後)についてさらに解析する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際学会への参加ができなかったことや研究結果の論文作成が滞ったことによる。今後は国際学会参加や論文作成を進めていく予定である。
|