• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

心停止後症候群に対する33℃と35℃の目標温度管理の神経学的予後に関する比較

研究課題

研究課題/領域番号 21K09075
研究機関岡山大学

研究代表者

内藤 宏道  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (00536774)

研究分担者 頼藤 貴志  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00452566)
中尾 篤典  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40648169)
西田 一貴  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30877072)
錦見 満曉  広島大学, 病院(医), 助教 (00816118)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード心停止後症候群 / 脳障害 / 昏睡 / 心停止 / 合併症 / 低体温療法 / 体温管理 / 心肺蘇生法
研究実績の概要

重症神経障害を呈する心停止後症候群(PCAS)の予後は不良であり、治療法は確立されていない。脳温を低下させる管理法が、神経障害のある心停止後症候群の唯一の治療法ともいえるが、至適な管理目標温度は定まっていない。
2021年8月に発表されたTTM-2試験はこれまでで最大規模の無作為化比較試験(RCT)である。33℃を目標とする低体温療法群と37.8℃以上の発熱に介入を行う常温療法群に180日生存に関して差は認められなかった。さらに、他の最近の研究で、低体温療法は、中等度程度のPCAS患者(すなわち介入を必要としない軽症患者でなく、また、救命不能であるほどの虚血障害を負った最重症患者でない)で効果を発揮する可能性が示された。新たに発表された、この2つの研究を受け、本研究では、院外心停止・自己心拍再開後に意識障害を呈する患者のうち、もっとも効果が高いと推測される重症度(中等症)の患者選択を行い、低体温療法(34℃)または常温療法(37℃)を行った後、30日神経学的予後の違いを検証する。
研究計画は岡山大学倫理委員会に承認され、共同研究施設で症例の組込みを続けている。研究専用Electronic Data Capture(EDC)を構築した。このEDCを通じて、ランダム化およびデータの登録が行われている。定期的な多施設での研究ミーティングを実施し、問題点や研究体制の確認を行っている。モニタリング・データマネジメントを適宜実施している。2024年4月28日の時点で、112例の症例が登録されている。380例の症例登録が目標であり、190例の時点で中間解析を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

5年の研究機関の3年目が終了した。症例登録を継続しており、登録数は2024年4月28日の時点で、112例に留まっている。
参加施設は現時点で、旭川医科大学、岡山大学病院、京都医療センター、久留米大学病院、国際医療福祉大学成田病院、国立病院機構熊本医療センター、済生会宇都宮病院、札幌医科大学附属病院、JA広島総合病院、順天堂大学医学部附属浦安病院、聖隷浜松病院、千葉大学医学部附属病院、津山中央病院、長崎みなとメディカルセンター、奈良県立医科大学、新潟大学医歯学総合病院、広島市立広島市民病院、広島大学病院、福岡大学病院、八尾徳洲会総合病院、山口大学医学部附属病院、りんくう総合医療センター、獨協医科大学病院、大阪府済生会千里病院、京都第二赤十字病院、島根県立中央病院、島根大学医学部附属病院、愛媛大学医学部附属病院、大分大学医学部附属病院、熊本赤十字病院、長崎医療センター、済生会熊本病院、富山県立中央病院、公立豊岡病院の35施設である。組み込み数が目標数の約半数程度で推移しているため、各参加施設で適応となった症例をできるだけ組み込んでいくことが課題である。

今後の研究の推進方策

症例の組込みが目標数の半数程度で推移しているため、組み込み数を各病院で増やすこと。また、あらたな組み込み病院の研究協力を学会などを通じ要請している。専用メーリングリストを開設し、定期的なミーティングを実施している。データマネジメント、モニタリングを適切に行うこと。また、目標症例に到達できるように研究グループの調整を行っていくことが重要と考えている。症例登録最終日の延長が必要になる可能性があり、検討中である。目標症例数(380例)の半分に到達した時点での中間解析を予定している。

次年度使用額が生じた理由

本年度の予算の大部分は研究用のEDCの維持費用であり、計画通り使用できている。EDC維持費用を予想より安価に抑えることができたため次年度使用額が生じた。また、参加施設への書類の発送や消耗品などにも費用が生じたが、WEBでの連絡体制の構築により、当初の予定より若干、費用を抑えられている。プロトコル論文を作成している、論文の作成と発表に当初の予想より費用を多く要すると見積もっている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] 心肺蘇生の最新の潮流 ~蘇生後の予後を予測するrCASTの応用~2023

    • 著者名/発表者名
      内藤宏道
    • 学会等名
      第13回日本離床学会 全国学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] JAAM R-CAST OHCA study 院外心停止例での重症度選択した体温管理療法の多施設無作為化比較試験2023

    • 著者名/発表者名
      内藤宏道
    • 学会等名
      第26回日本脳低温療法・体温管理学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 体温管理療法に関する多施設共同無作為化比較試験 JAAM R-CAST OHCA(続報2023年)2023

    • 著者名/発表者名
      内藤宏道
    • 学会等名
      第51回日本救急医学会総会・学術集会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi