研究課題/領域番号 |
21K09083
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
梅澤 和夫 東海大学, 医学部, 准教授 (30349344)
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研究分担者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20577415)
斉藤 剛 東海大学, 医学部, 准教授 (30266465)
神野 敬祐 香川大学, 医学部附属病院, 医員 (40897550)
関根 嘉香 東海大学, 理学部, 教授 (50328100)
浅井 さとみ 東海大学, 医学部, 准教授 (60365989)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 皮膚ガス分析 / オルトジクロロベンゼン / トキシドーム / パッシブ・アクティブ・サンプラー |
研究実績の概要 |
皮膚ガス分析による農薬中毒を臨床現場にて実施している。自傷行為により農薬を内服した患者より、患者自ら申請した服用薬剤が患者周辺から発見されず、病院収容時にが生体揮発性ガス分析を用いることでオルトジクロロベンゼンによる急性薬物中毒と診断した症例を第50回日本救急医学会総会・学術集会にて発表した。発表概要は以下の通りである。 農薬を摂取して自傷行為を行い、その後自動車で自損事故を起こして搬送された。搬送時、患者よりの申請はパラコートを内服したとのことであった。パラコートは酸素と反応しパラコートオキシラジカルを生成、重篤な肺障害を生ずるために酸素投与は禁忌とされ、空気中酸素濃度であっても障害が進行する致死的な中毒疾患である。しかしながら、患者自宅等の状況においてパラコートは発見されず、他の非パラコート農薬の空き瓶が発見された。当該患者において、中毒物質特定のため皮膚表面から生体揮発性ガスをパッシブ・アクティブ・サンプラーを用い、採取。ガスクロマトグラフ・MS(GC-MS)にて測定を行った。定性分析の結果、皮膚からオルトジクロロベンゼンの放散が認められたが、その他の農薬関連成分は検出できなかった。定量分析の結果、オルトジクロロベンゼンが12852 ng/cm2/hrと高値を示し、その後半減期8.9hで減衰した。患者自宅からオルトジクロロベンゼン製剤の空き瓶が発見されており、中毒物質と考えられる。生体揮発性ガス分析はトキシドーム(中毒物質特定)にと止まらず、非侵襲的バイオマーカーとして有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
総合自殺対策、OCIVD-19流行などの社会状況変化のため、農薬中毒患者が激減したため、症例収集に遅延がみとめられる。しかしながら、装置の内部精度管理等の基礎技術に関しては計画通りに実施できている。症例収集のみの遅延であり、研究計画を根本的に見直す事態に入ったっていない。
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今後の研究の推進方策 |
測定装置の内部生後管理等は計画取りに進行させている。症例収集に関しては、COVID-19流行状況、感染症法5類指定などの社会状況変化が起きており、救命救急センターに搬送される中毒患者も増加傾向にあるため、農薬中毒患者の収集も期待できる。予定している研究計画は、修正せずに実施し症例収集に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
総合自殺対策、COVID-19流行など影響により農薬中毒の症例が激減し、臨床検体の採取が遅延、予定した症例数が袖手できなかったため、献体搬送、測定にかかる費用が予算通りに執行できなかった。2023年度においては社会状況の変化により中毒症例の増加がみられ、臨床検体の収集が期待できる。またCOVID-19の感染症法変更のため、学会発表の現地での実施にともなう旅費の発生、第50回日本救急医学会総会発表内容の英嗣論文作成、本研究の集約論文(英語論文)作成に加え、精度管理為の消耗品購入に実施する。
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