研究課題
最終年度については臨床データとしてアルゴリズム作成に必要な患者データについての検討を行った。臨床研究法に基づき倫理審査を行い該当患者のデータを100名収集したが、既往歴や症状、収集データ、検査データを総合的に判断したがアルゴリズムを作成できるほどの共通指標を有する患者群が選定できず、またAI技術を組み合わせることなく心臓外科術後肺合併症リスク予測の効果を示す有意なデータは得ることができなかった。主要評価項目である予後の推定などについても治療グループ間に統計的に有意な差は見られませんでした(p値 > 0.05)。想定される理由としては術後合併症を興す前後に起点として、大学病院1施設だけでは継続的なデータが得ることができないばかりか、術後の転院のち、かかりつけ医の元で予後良好な患者が多いことや存命中ということも多いことから、そもそも合併症を発症する症例が関連病院機関において数例と、アルゴリズムを構築するにはあまりにも少ないことが主たる原因だと考えられる。また新型コロナウイルス感染症や臨床研究メンバーの本拠点からの大量離職の影響などに伴い、共同研究者らの異動先でも研究タスクが思うように進まなかった要因も少なからず存在する。これら諸般の事情により研究が思うように進捗することなかったが、症例数の継続的な収集を含めて今後も引き続きデータ収集を行う。