研究課題
凝固波形解析(CWA)の中でも特にAPTTを用いたCWA(APTT-CWA)の研究が活発だった。AI研究を用いたAPTT-CWAについて、ディ-プラーニング法(D法)を用いてAPTT延長を示す凝固異常症について解析し、今までの数個のパラメータを用いた分類鑑別より、向上することを明らかにした。さらに機械学習を用いたAI研究ではD法よりさらに鑑別能は向上した。これらの方法を基に一般検査室で使用できる汎用性の向上を目指す。凝固波形解析の応用として、dRVVT法を用いた用途外だが、CWAを用いて、DOACSモニタリング法の開発を目指し、1回目の学会発表を実施した。さらにDOACS服用下患者血漿と他の凝固異常症との鑑別を目指し、方法の確立を目指す予定である。凝固線溶波形解析(CFWA)を用いた解析では、組織因子の有無による血友病治療薬の評価について、発表を実施した。また、CFWAの波形の呈する意義について分からないことが多い。その波形の示す意義を線溶相を中心に、FDPやDダイマーなど線溶マーカー測定を実施したり、さらにImmunoblotを用いたFDP分画の様子について、凝固因子低下症例を健常人ではフィブリン溶解するパターンが異なることを明らかにした。まだまだ研究は中途段階である。今後、CFWAの示す意義について、線溶基準になっている方法との比較が必要である。DOACSモニタリング法の確立を目指したい。さらにAPTT-CWAの標準化に向けた課題もある。これらの課題を引き続き、着実に取り組んでいきたい。
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すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Medical Technology
巻: 51(3) ページ: 254-258
血栓止血誌
巻: 34(1) ページ: 43-52
10.2491/jjsth.34.43