研究課題/領域番号 |
21K09095
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 太一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (90447392)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 3DCG / バーチャルリアリティ手術シミュレーション / オンライン医学実習 |
研究実績の概要 |
令和3年度は予定通りの進捗であった。詳細を下記に述べる。 1. 本研究に関して東京大学医学部附属病院から倫理委員会の承認を得て研究を開始した。2. 現実空間と仮想空間とを融合する複合現実技術の開発と精度検証;手術所見と術前医用画像とを融合表示させるオンライン実習に活用できる技術およびシステムを開発した。具体的には医用融合3次元画像をポリゴンモデルと頂点カラーマップに分離し、プロジェクション技術を用いて頂点カラーマップを仮想的にポリゴンモデルに投影することによって得られる位置姿勢量パラメータを、手術開頭の写真に適応した。脳腫瘍20症例を用いた検証では誤差0.93mmとマイルストーンを達成した。3. 教科書情報としての正常解剖ポリゴンモデルの開発;手術シミュレータに必要な正常解剖3DCGモデルを開発した。開発ソフトMayaおよびModoを用いて、副鼻腔内、側頭骨、白質神経線維のポリゴンモデルを開発した。医用画像との位置合わせに対してはiterative closest point法をベースにして独自開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、計画書に記載された内容は全て実施した。解析結果もほぼ予測通りであった。 研究成果として1編の論文が国際誌に受理された。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度以降も下記のように予定通りに研究をすすめる。 令和4年度;視聴覚および触覚の相対情報を活用した触覚情報支援技術およびその手術シミュレータの開発と精度検証 鼻腔内骨性成分のドリル操作を対象とした手術シミュレータを開発する。ポリゴンモデルによる部分削除は、リアルタイムブーリアン処理法を新規開発する。骨硬度に関しては、倫理委員会承認後に頭蓋骨の硬度を測定する。東京大学工学部研究室に設置されている硬度測定器(大阪機工VN4Ⅱ)を使用する。4例の頭蓋骨骨片の複数箇所の皮質骨および海綿骨部のスラスト値および断面測定を実施する。この計測結果とCTのボリュームデータから算出した骨硬度および断面情報をカラーマップに変換する。聴覚情報はドリル音、触覚情報はコントローラーの振動とする。骨ドリリング操作に精通した脳神経外科専門医3名に操作してもらい、パラメータをチューニングする。最後に令和3年度までに開発した複合現実モデルを搭載して情報統合手術シミュレータを完成させる。開発エンジンとしてUnityを用いる。 令和5年度;学生実習における有効性と精度検証 提案複合現実モデルの精度検証に関しては、脳腫瘍30症例を対象に手術所見と術前医用画像との位置合わせ精度を検証する。複合現実モデル上の10箇所のtarget registration errorを測定する。対照は市販手術ナビゲーションシステムの位置合わせ精度とする。提案技術の教育効果の検証に関しては、脳神経外科専門医10名および医学部5年生30名を対象に、情報統合手術シミュレータの有用性と精度を検証する。モデル形状、手術器具の操作感と操作性、触覚支援技術の効果、オンライン実習におけるデータ通信量などに関して評価する。級内相関係数を用いた解析によって提案シミュレータの信頼性を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大によるグラフィックボードの流通不足によって、計算機(MASTERPIECE i1640マウスコンピュータ)および画像解析ソフトウェア(Avizo)の購入を次年度に持ち越した。これらはいずれも令和4年度に購入する予定である。
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