研究課題/領域番号 |
21K09098
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
山田 茂樹 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40422969)
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研究分担者 |
渡邉 嘉之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20362733)
大島 まり 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40242127)
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 4D Flow MRI / 脳脊髄液 / 脳血管 / 脳循環 / 脳代謝 / 脳体積 / 脳老化シミュレーション / 正常圧水頭症 |
研究実績の概要 |
令和3年度に本科研費(基盤研究C)を頂き、放射線技師に時間外MRI撮影時に謝金を支払えるようになり、これまでに20代から80代まで120人の健常ボランティアに3D T1強調、3D T2強調、4D FLOW MRI(脳脊髄液・脳血管)を撮像した。同様に、正常圧水頭症(NPH)患者のデータを取得し、ケース・コントロール研究として順調にデータを収集している。さらに、歩行解析として、スマートフォンを用いたモーションキャプチャー無しで3次元動作解析を行うアプリを開発し、倫理審査委員会の承認を得て、NPH患者で歩行データを収集。これらの解析を行うために、備品としてPC、HD等を購入し、現在、脳と脳血管、脳室、くも膜下腔の3Dモデル(stl file)を作成し、3次元流速情報とともに、東京大学大学院・生産技術研究所、大阪大学大学院基礎工学研究科、今年度から共同研究に加わった東京都立大学とデータを共有している。 学会発表は、国際水頭症学会2021での教育講演、国際脳神経外科学会アジア秋季セミナーでのシンポジウム講演、The Lancet SummitでのポスターOnline講演と、国内学会で11のシンポジウム・招聘・教育講演、10回の一般講演を行い、2021年11月10日に共同研究施設とOnlineで第3回脳循環代謝数理モデル研究会を開催し、本研究に進捗状況を確認した。 論文は国際誌に筆頭(責任)著者として2つの総説、共著者として5つの研究論文が出版され、6つの和誌に筆頭(責任)著者として出版された。特に、CSFの微細動態観察に4D Flow MRIを用いるためには撮影時の渦電流(背景ノイズ)を補正する必要があったが、これを共同研究機関である大阪大学大学院基礎工学研究科が開発し、Magnetic Resonance in Medicineに論文掲載され、今後の研究の基盤となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに健常ボランティア、患者に研究に参加して頂き、データを収集することができている。また、今後の研究発展に必要な解析技術の基礎を共同研究機関が開発に成功し、解析を順調に進めている。 研究計画時には人件費・謝金の予算を入れていなかったが、MRIボランティアを募り研究を推進するにあたって、放射線技師に時間外MRI撮影時に謝金を支払うことになった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は研究初期の成果として、国内・国際学会での発表かつ国際誌への投稿を予定している。本年度中に健常ボランティアのMRI撮影を終了し、データ解析を進める予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画時には人件費・謝金の予算を入れていなかったが、MRIボランティアを募り研究を推進するにあたって、放射線技師に時間外MRI撮影時に謝金を支払うことになった。次年度も引き続き、人件費・謝金の予算が必要となる。 コロナ禍が続き、学会の現地参加がなくなり、オンラインでの開催となったため、旅費が計画よりも減少した。解析用ワークステーションを物品費での購入を計画していたが、コロナ禍によりPC関連の品薄、価格高騰したことと、論文作成・投稿、学会参加にかかる出費が多かったことが理由となり、次年度以降に購入を検討し、代用として通常のPCを合計212,080円で購入した。
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