研究課題/領域番号 |
21K09104
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
長濱 宏史 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20725676)
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研究分担者 |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136) [辞退]
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007) [辞退]
横山 貴裕 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60896116)
鵜飼 亮 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30896113)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 神経再生 / 骨髄間葉系幹細胞 / 神経可塑性 |
研究実績の概要 |
我々は、これまでに実験的脳梗塞に対する骨髄間葉系幹細胞 (mesenchymal stem cells: MSCs)の経静脈的投与 (MSC治療)が、自然回復で得られる運動機能を凌駕する改善に貢献するメカニズムとして、脳の神経可塑性を賦活化することを明らかにしてきた。特に最近、 左右大脳皮質運動野における脳梁を介した神経線維連絡が損傷から保護されることをEx vivo MRI Diffusion Tensor Tractography (DTT) および、順行性神経軸索トレーサーによる神経解剖学的トレーシング法を用いた解析手法によって報告した。これらの成果から、我々は、実験的脳梗塞に対するMSC治療後の脳内には明らかな新規の神経回路の再構築が惹起されることを見出した。さらに本研究では、実験的脳梗塞に対するMSC治療後の局所の神経線維連絡の再編にとどまらず、脳梁全部の左右半球間連絡に解析対象を拡げることで、神経回路の再構築が全脳で生じていることを明らかにした。引き続き我々は、神経線維ネットワークを最新のdiffusion magnetic resonance imaging (dMRI)技術とDTTを用いた全脳の網羅的なコネクトーム解析を行い、と神経解剖学的手法を用いて解析し、再構築される神経回路の全貌の解明を目指している。以上のように、補助金は適切に使用し、研究は予定通り進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットを用いた実験的脳梗塞モデルに対してMSC治療を行い、運動機能の改善が得られたラットの神経回路の変化を、magnetic resonance imaging (MRI)を用いたdiffusion tensor tractography (DTT)による神経軸索イメージングと神経軸索トレーサーによる神経解剖学的解析による検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
ラットを用いた実験的脳梗塞モデルに対してMSC治療を行い、運動機能の改善が得られた動物の神経回路の変化を、magnetic resonance imaging (MRI)を用いたdiffusion tensor tractography (DTT)による神経軸索イメージングと神経軸索トレーサーによる神経解剖学的方法、共焦点顕微鏡、光シート顕微鏡などによって解析を継続して行う予定である。研究は順調に推移しており、研究計画の変更の必要性は低い。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、参加を予定していた学会出張関連費用のキャンセルが生じた。出張費もしくは実験に用いる物品費用分に充当するため、次年度以降に使用する。
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