研究課題/領域番号 |
21K09105
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大竹 誠 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (70644607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 2光子イメージング / 悪性脳腫瘍 |
研究実績の概要 |
2021年前半は設備備品として、神経生理学教室の2光子顕微鏡をin vivo用にセットアップし、マウス固定用のマウンティングパーツを作成した。さらに、マウス脳内への定位的手術を行うために既存のマウス頭部固定装置に対して、Thorlabsからオーダーメイドのマウンティングパーツを購入した。頭部固定のためのヘッドポストを3Dプリンターを用いて作成した。また、動物実験センターに実験計画書を提出、本実験に必要なマウスの使用と手術について了承を受け、動物実験を行うための調整を行った。 2021年後半にかけて移動式のPC購入と画像解析システムの導入を行い、イメージング室における解析との同期について確認、問題なく稼働することを確認した。動物実験としてはマウスにヘッドポストを装着手術を行い、術後もマウスに合併症や異常行動が起きないことを2か月間確認した。次に、ヘッドポストを装着したマウスに定位的な開頭手術を行い脳表を確認、カバーガラスで被覆する手術についても再現をもって成功した。一方で、使用するセメント製剤やGlueを海外で施行していたものと異なる日本製を利用したことで、開頭後の硬膜肥厚が早期に出現した。硬膜肥厚はイメージングを行う際にレーザーの透過性を悪くすることで神経細胞の描出を不良にする。この硬膜肥厚を予防するために、手術の開頭順序を変更するとともにセメント製剤の変更や止血剤の変更など、使用する製剤の調整に難渋して時間を費やした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの頭蓋内手術に一部難渋し(海外の機材と一部変更したため、イメージングに不適切な硬膜肥厚などの頻度が増えた)、必要機材の差し替えなどが必要となった。それに伴い、イメージング開始が当初の予定よりも3か月ほど遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは正常マウス(脳腫瘍なし)のイメージングを行い、正常神経細胞の活動を観察する。次に、悪性脳腫瘍を作成したマウスに同様の手術を行い、脳腫瘍細胞の活動偏移を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験が前述のようにやや遅れて進行したことに伴い、実験に必要なマウス費用と抗体試薬等の購入費が次年度に繰り越されたため。
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