本研究では、「慢性貧困灌流において低下した脳血流による不十分なラジエータ効果が存在するときに、脳脊髄液流が能動的にラジエータ効果を担っているのかどうか」を明らかにする。脳主幹動脈慢性閉塞性病変を対象とした。3T MRI MRSを用いて脳温度マップを、7 Tesla MRI拡散強調画像で得られたIVIM解析にてCSF dynamicsを作成した。また神経心理検査を行った。結果として、「1) 脳温度と脳脊髄液動態の関係は正の相関にある、2) 1)の関係は動脈硬化性病変より虚血発症もやもや病で強い、3) 1)の関係を認知機能低下例ほど、有意に脳温度が高く、脳脊髄液動態の変化が強い。」が得られた。
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