研究課題/領域番号 |
21K09109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
植田 良 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30317143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 難治性脳腫瘍 / 腫瘍抗原ペプチドワクチン / 脳腫瘍血管新生 / 免疫療法 / バイオマーカー |
研究成果の概要 |
本研究では、申請者らが実施している難治性脳腫瘍(悪性神経膠腫、進行性の脊索腫や髄膜腫、神経線維腫症2型患者における進行性神経鞘腫等)の新生血管を治療標的としたペプチドワクチン療法臨床試験被験者検体を用いて、免疫応答関連因子、脳腫瘍血管新生および浸潤性関連因子について解析し、臨床的有効性との関連性を検証した。その結果、同ワクチン療法による臨床的有効性を認めた患者検体では、ワクチン療法後にVEGFR発現細胞反応性細胞傷害性T細胞の高頻度検出、血漿中のIL-8値の低下、腫瘍細胞におけるVEGFR高発現を認めており、これらの因子は同ワクチン療法の治療効果評価や治療反応性予測に応用しうると考えられた。
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自由記述の分野 |
脳神経外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳腫瘍血管新生抑制療法とがんワクチン免疫療法という2つの治療要素を併せ持つ悪性脳腫瘍に対する治療はこれまでに行われておらず、本研究により、脳腫瘍微小環境の免疫学的解析や脳腫瘍患者での免疫応答、脳腫瘍血管新生機構の解明など、これまでのがん治療の臨床試験では検証されていなかった知見を、がん免疫療法や腫瘍血管新生抑制療法の改良・開発に向けた基礎研究にフィードバックし得る。また、基礎研究では判明しなかった現象が臨床試験において初めて明らかにされることもある。これらの情報は、今後の免疫的治療法・血管新生抑制療法開発にとって欠かすことができない重要な指針となり、がん医療の発展に寄与する可能性がある。
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