研究課題/領域番号 |
21K09110
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
萬代 秀樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10265994)
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研究分担者 |
秋葉 ちひろ 順天堂大学, 医学部, 助教 (40837754)
宮嶋 雅一 順天堂大学, 医学部, 教授 (60200177)
山田 晋也 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (10220378)
中島 円 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50317450)
押尾 晃一 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90185588)
伊藤 敬孝 順天堂大学, 医学部, 助教 (90365578)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MRI / 蛋白蓄積 / 濃度解析 / T2解析 / 認知症 |
研究実績の概要 |
1) T2解析用収集・解析ソフトウェアを当施設MRI室に設置した。本研究ではT2解析を用いるが、そのためのCPMGパルスシーケンスと、画像解析・表示のための解析PC(解析用ソフトウェアを含む)をそれぞれ設置し、稼働を確認した。院内LANへの接続にあたり、患者情報の漏洩を防止すべく回線経路に配慮し設置した。 2) T2解析用撮像プロトコルの決定を行った。研究責任者および研究分担者で協議を重ね、当施設で取得したボランティアデータに基づき、T2解析の撮像条件・撮像断面を決定した。撮像時間や方法により被験者の負担を最小限とするよう努めた。 3) T2解析の検証のためのファントム実験を実施した。T2解析ではマルチコンポーネント解析法が用いられており、T2値の異なる成分を分離する。その動作検証として、異なるアルブミン濃度を設定した脳脊髄液模擬ファントムを作製し、蛋白濃度の異なる信号成分の混在環境にてT2解析を適用した。結果、所定のT2成分を分離できることを確認し、JSRT2022にて学会発表を行った(筆頭演者:小泉達也「脳内の蛋白濃度分布の可視化を目的としたT2成分分離シークエンスの評価」)。 4) T2解析の症例データの取得を継続中である。T2解析法を、各種認知症性疾患や健常高齢者等の症例に適用してデータ収集を行っている。データは紐づけ不可の匿名化処理を行った上で画質の確認を行い解析している。初期の症例での結果はISMRM2022にて学会発表を行った(筆頭演者:押尾晃一「Observing clearance pathway in Alzheimer patients using T2 component analysis」)。 5)研究責任者および研究分担者・研究協力者にて研究定例会を実施した。当施設で撮像・解析したデータを供覧し、臨床知見に関しディスカッションを重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床データの収集に関し、当初想定していた予定よりやや遅れが生じている。原因として、第一に臨床に使用しているMRI機器を用いて撮影することから、臨床業務に影響しない範囲での撮影時間が限定されること、第二に認知症患者を主な対象とすることから、MRI撮影時の拒否や体動等で撮像困難となる症例があること、第三に前記2つの理由から本撮影条件を適用できる症例が限定されることが挙げられる。 また、解析・考察に関して、症例は同じ臨床像であっても、それぞれに異なる既往歴や頭蓋内状況を呈するため、定性的・定量的な判断は非常に難しいことが分かってきた。また、現行の認知症性疾患の分類(「アルツハイマー病」、「レビー小体型認知症」等)は病理学的分類に基づくものであるが、生前の病理学的確定診断は得られないことから、疾患定義そのものも不確定要素となっているという問題がある。今後評価項目や評価尺度を細分化し解析を進めていく必要があるが、より多くのディスカッションと症例蓄積が必要となると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
臨床データの収集を遅滞なく実施すべく、対象患者の選定を継続して行っていく。 複雑で多大な情報量をもつ画像データに対し、評価項目や評価尺度を細分化・単純化し、より定性的解析に近づけるべくディスカッションを行っていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
アミロイドPET検査の撮影費用に使用する予定であったが、適切な症例がなく今後の症例に適用する予定である。
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