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2021 年度 実施状況報告書

免疫療法新時代における悪性脳腫瘍の微小環境の解析と新規治療法開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K09111
研究機関帝京大学

研究代表者

稲生 靖  帝京大学, 医学部, 教授 (50372371)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード悪性神経膠腫
研究実績の概要

研究の目的と意義:悪性神経膠腫は予後不良の疾患であるが、近年、膠芽腫とは区別される予後の比較的良好な悪性神経膠腫に関する知見も進歩し、治療法にも個別医療の可能性が生じつつある。一方で、病理診断上は典型的な膠芽腫においても明らかに治療に反応する症例が存在することが実臨床において経験される。その治療反応性や予後の差は個体の免疫監視システムの腫瘍認識に関係する可能性が高い。本研究では、膠芽腫の患者由来の各種検体を多角的網羅的に解析し、もって膠芽腫患者の治療反応性の増強の候補に関する情報を集積する。さらに、細胞株ならびに患者検体由来の低継代膠芽腫細胞を用いて、その標的候補の有用性についての検証を行い、既存のもしくは新規開発中の膠芽腫治療法の効果の増強につなげることを目的とする。
研究の方法と具体的内容:外科的摘出術の際、病理診断用の組織片を確保したのち、可能な限り新鮮な状態で腫瘍組織を採取し、保管する。通常の病理組織切片作成用、DNA・RNA・タンパク抽出用、腫瘍細胞培養用(脳腫瘍幹細胞の培養を含む)、腫瘍抗原解析用、腫瘍内および周辺微小環境因子解析用、など多角的包括的な解析を目的に、適切な条件及び方法で採取、必要に応じて固定and/or凍結し、保管する、及び培養する。血液検体については、腫瘍細胞片そのものや腫瘍細胞から放出されるエクソソームが血液中を循環することが最近注目されており、それらの解析を視野に入れた採取と保管を行う。血清中のサイトカイン等についてはマルチプレックス サスペンションアレイを用いた網羅的な解析を予定する。検体採取方法、処理方法、解析方法の妥当性を確認するために少数例の検体の解析をパイロット的に行い、その後、まとまった数の検体の集積の後に本解析を行う計画であり、初年度は、検体の採取計画の策定、保管方法の妥当性の確認等とともに、検体数の集積を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

悪性神経膠腫は予後不良の疾患であるが、近年、膠芽腫とは区別される予後の比較的良好な悪性神経膠腫に関する知見も進歩し、治療法にも個別医療の可能性が生じつつある。一方で、病理診断上は典型的な膠芽腫においても明らかに治療に反応する症例が存在することが実臨床において経験される。その治療反応性や予後の差は個体の免疫監視システムの腫瘍認識に関係する可能性が高い。本研究では、膠芽腫の患者由来の各種検体を多角的網羅的に解析し、もって膠芽腫患者の治療反応性の増強の候補に関する情報を集積する。さらに、細胞株ならびに患者検体由来の低継代膠芽腫細胞を用いて、その標的候補の有用性についての検証を行い、既存のもしくは新規開発中の膠芽腫治療法の効果の増強につなげることを目的とする。
外科的摘出術の際、病理診断用の組織片を確保したのち、可能な限り新鮮な状態で腫瘍組織を採取し、保管する。通常の病理組織切片作成用、DNA・RNA・タンパク抽出用、腫瘍細胞培養用(脳腫瘍幹細胞の培養を含む)、腫瘍抗原解析用、腫瘍内および周辺微小環境因子解析用、など多角的包括的な解析を目的に、適切な条件及び方法で採取、必要に応じて固定and/or凍結し、保管する、及び培養する。血液検体については、腫瘍細胞片そのものや腫瘍細胞から放出されるエクソソームが血液中を循環することが最近注目されており、それらの解析を視野に入れた採取と保管を行う。血清中のサイトカイン等についてはマルチプレックス サスペンションアレイを用いた網羅的な解析を予定する。検体採取方法、処理方法、解析方法の妥当性を確認するために少数例の検体の解析をパイロット的に行った後に本解析を行う計画である。初年度は、当初の研究計画に従い、検体の採取計画の策定、保管方法の妥当性の確認等とともに、検体数の集積を行った。

今後の研究の推進方策

研究計画に従い、2年目は以下の内容で研究を推進する予定である。腫瘍組織の採取と保存に関しては、外科的摘出術の際、病理診断用の組織片を確保したのち、新鮮な状態で腫瘍組織を採取し、保管する。通常の病理組織切片作成用、DNA・RNA・タンパク抽出用、腫瘍細胞培養用(脳腫瘍幹細胞の培養を含む)、腫瘍抗原解析用、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の分離及び培養用、腫瘍内および周辺微小環境因子解析用、などの解析を目的に、適切な条件及び方法で採取、必要に応じて固定and/or凍結・保管・培養する。検体の質および量が適切である場合は、免疫不全マウスの皮下への移植による初代培養も併用する。血液検体の採取と保存に関しては、腫瘍細胞片そのものや腫瘍細胞から放出されるエクソソームの解析も視野に入れた血液採取および保管を行う。切除手術後の間もない時期のサンプリングにも留意する。血液中に含有される腫瘍由来のタンパクやペプチドに対しての質量分析が実施可能な方法で採取を行う。血清中のサイトカイン等についてはマルチプレックス サスペンションアレイを用いた網羅的な解析を外部委託で行うことを予定する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画2年度目に行う予定(前述)の内容の一部を前倒しで行う場合も想定して、1年度目の物品費を計上していたが、実際の研究の進捗は1年度目の内容通りであったため、その分が次年度使用額となった。なお、旅費ならびにその他に情報収集のための学術集会出席費用を計上していたが、昨年度の主要な学術集会はオンライン(もしくはハイブリッド)で開催されたため、交通費は発生しなかった。次年度使用額は、研究2年度目の実施内容を拡充(具体的には解析検体数を増加等)するよう使用する計画である。

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公開日: 2022-12-28  

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