研究課題/領域番号 |
21K09128
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
空閑 太亮 九州大学, 大学病院, 助教 (40759932)
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研究分担者 |
三月田 祐平 九州大学, 大学病院, 助教 (00848640)
秦 暢宏 九州大学, 大学病院, 講師 (10596034)
溝口 昌弘 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50380621)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 下垂体腺腫 |
研究実績の概要 |
下垂体腺腫は、pasireotideなど新規薬剤の出現により従来の手術療法に加え、多様な治療が可能となりつつあるが、診断や疾患の進行を確認するためのバイオマーカーは未だ存在しない。本研究ではcell free DNAのエピジェネティクス解析という全く新たなアプローチを用いて下垂体腺腫の総合的診断システムの確立を目指す。 令和3年度においてはまず、血液中のバイオマーカーの同定が可能であるかの基礎実験を行った。下垂体腺腫の髄液、血液サンプルが現段階では少 なかったため、代替として代表的な脳腫瘍である神経膠腫患者から得た血液、髄液サンプルを用いて実験方法の確認を行った。高感度のデジタルPCR法を用いる ことで、脳腫瘍患者の髄液中より腫瘍特異的遺伝子の検出が可能であった。 今後はこれらの手法を下垂体腺腫患者サンプルを用いて実験を進めていく予定である。具体的には下記に沿って実験を行っていく 1下垂体腺腫臨床サンプルを用いて、網羅的cell-free DNAのメチル化プロファイルを基に、腫瘍分化過程および腫瘍組織型決定に関わるDNA領域を同定する。2 同定したDNA領域が治療前後、再発時などの臨床経過の様々な時点でどのように推移するかを確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
下垂体腺腫の血液ライブラリーの作成が思うように進んでいない。腫瘍の凍結検体の貯蔵は順調に進んでおり、こちらも併せて解析を行なっていく。
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今後の研究の推進方策 |
下垂体腺腫各組織型(Gonadotroph adenoma, Somatotroph adenoma, Lactotroph adenoma, Thyrotroph adenoma, Corticotroph adenoma, null cell adenoma)において患者血液からcell free DNAを抽出する。コントロールとしては正常血液を用いる。網羅的メチル化解析については、申請者らが過去に行ってきたPBAT法(Nucleic Acids Res. 2019)を用いてライブラリを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要物品は消耗品であり、翌年度分と併せて購入する。
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