ヒトグリオーマ細胞株T98GにSGK阻害剤を投与し、細胞増殖や移動能が抑制された。ミクログリア(MG)細胞株BV-2にIL-4を投与してもMGのM2極性マーカーであるArg-1の変化は認められなかった。一方、SGK1欠損BV-2細胞にIL-4を投与するとArg-1遺伝子発現の増加傾向が認められ、IL-4依存性極性変化へのSGK1の関与が示唆された。また、T98GにIL-4を投与ても増殖変化はなかった。以上、SGK1はMGのM1様変化を促進するが、グリオーマも増殖促進する可能性があり、阻害剤はグリオーマを抑制しても、MGが関わる脳内環境ではMGによる腫瘍増殖抑制系は抑制されることが考えられる。
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