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2023 年度 実施状況報告書

脳血管内治療における治療デバイス先端部の挿入力推定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09141
研究機関愛知工科大学

研究代表者

永野 佳孝  愛知工科大学, 工学部, 教授 (40610142)

研究分担者 宮地 茂  愛知医科大学, 医学部, 教授 (00293697)
大島 共貴  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30378161)
泉 孝嗣  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90467291)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード脳神経外科 / 脳血管内治療 / 挿入力センサ / 摩擦 / ヒステリシス
研究実績の概要

本研究のコンセプトは、これまで術中に計測不可であった患者の血管内壁に作用する先端力を、計測可能なX線透視画像と体外にある治療デバイスの末端の挿入力とによって推定することにある。本研究の具体的目的は研究1から5に分けられている。
2023年度では、主に研究4の継続と推定方法に関する検証を実施した。
2022年度における研究4では、2次元透視画像でのカテーテルの形状検出について目途をつけたが、2023年度では2枚の透視画像を用いたカテーテルの3次元の形状検出について実施した。術中の2枚の透視画像において、その撮影角度が90度から10度以上差があることや、原点および縮尺もかなり異なることから、透視画像間の対応点を用いた座標補正が必要となった。対応点の検出には、各画像の時間差分で検出できるワイヤの移動部分の座標を使用することで解決した。
研究4の結果として、ワイヤの移動軌跡から先端部が血管壁に接触する瞬間をとらえることができるようなり、接触時における体外の挿入力の値を計測することで、カテーテルの経路の摩擦力を推定することができるようになった。また、接触の直前からワイヤを引張ったときの引張力も、符号は反対であるが経路の摩擦力である。したがって、血管壁への接触前後におけるワイヤの進行方向と体外の挿入力とを多数検出して平均化することで、摩擦力を精度よく推定できることになった。先端部の挿入力は、体外の測定可能な挿入力からこの摩擦力を減算したものと推定できる。
カテーテルの形状をパラメータとした実験モデルによる検証実験では、摩擦力の再現性は高いことものの、減算後に約20%前後の乗算補正が必要であった。この乗算補正の原因が、カテーテルの形状か実験モデルの問題なのかを、さらに確認していく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2023年度の達成目標は、研究4と研究5を完成させることであった。現時点で、研究5は未着手であるため、1年間研究期間を延長している。このため、全体として遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

2024年度前半において、検証実験を終了させる。また、研究5で示しているX線透視装置との接続による臨床用評価システムの開発について着手する。2024年度後半では、研究5を完成させるととも、研究1から研究5を組み合わせたシステムにおいて医療機関での評価改良を実施する。

次年度使用額が生じた理由

2023年度では、検証実験が終了していないために医療機関での評価が遅れ、主に旅費などに未使用額が生じた。
2024年度では、論文投稿費、学会発表と医療機関での評価のための旅費等へ使用していく計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脳血管内治療用挿入力センサの開発(改良された挿入力センサの構造とその性能)2023

    • 著者名/発表者名
      忠内洋樹、永野佳孝、宮地茂、川口礼雄、大島共貴、松尾直樹
    • 学会等名
      日本設計工学会 2023年度 春季大会研究発表講演会

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公開日: 2024-12-25  

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