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2023 年度 実施状況報告書

ブロナンセリン代謝物および新規誘導体合成を基盤とした膠芽腫治療薬の創製研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K09142
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

清水 忠  兵庫医科大学, 薬学部, 教授 (40509022)

研究分担者 篠山 隆司  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (10379399)
大森 志保  兵庫医科大学, 薬学部, 助教 (90379488)
中尾 周平  兵庫医科大学, 薬学部, 助教 (90868605)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードブロナンセリン / 代謝物 / 膠芽腫 / 構造活性相関 / 細胞死
研究実績の概要

2023年度は、2022年度までの検討でブロナンセリンよりも強い活性と示した主要代謝物のBLO-M1にフォーカスして検討を行った。まずは、BLO-M1のピペラジン部分に存在するN-H基の水素結合供与体である性質が抗がん活性発現に必要な構造であるかを評価した。具体的には、N-H基部分を、水素結合受容体となるN-メチル基, 酸素原子(O), 硫黄原子(S)および水素結合がないメチレン基(CH2)へと替えた誘導体を合成した。活性評価は、U251細胞における増殖抑制活性を指標とした。検討の結果、BLO-M1(IC50 = 6.9 μM)に比べて、N-メチル基が25 μMであり、その他の3化合物の活性はIC50 > 30 μMであった。このことから、抗がん活性発現にN-H基の水素結合供与性が重要であることを明らかとした。
さらに、U251細胞に加えて、テモゾロミド耐性膠芽腫細胞株であるGB-1(p-gp高発現細胞株)およびT98G(p-gpおよびMGMT高発現細胞株)への細胞増殖活性を確認した。その結果。BLO-M1は、GB-1およびT98G細胞においても、いずれもIC50 = 7.0 μMとU251細胞と同等の抗がん活性を示し、テモゾロミド耐性膠芽腫細胞株にも有効性を示すことを明らかとした。
また、抗がん効果に対する細胞死経路について、4種の細胞死抑制剤との競合を行った結果、カスパーゼ阻害薬とネクローシス阻害薬で部分的なレスキューが統計学的に有意に確認されたが、その関与の割合は部分的であった。このことから、細胞死に加えて増殖抑制作用が関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度に行った活性発現に必要となる構造を見出すための構造活性相関研究は、当初の計画になく、検討に必要となった誘導体合成に手間取り、計画の進行に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

研究実施期間を延長した2024年度は、当初の計画にあるin vivo評価に加えて、RNAシークエンスやBLO-M1の蛍光体の局在を行うことで、抗がん作用に関わる経路を明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に行った活性発現に必要となる構造を見出すための構造活性相関研究は、当初の計画になく、検討に必要となった誘導体合成に手間取り、計画の進行に遅れが生じた。このため、2024年度は、当初の計画にあるin vivo評価に加えて、RNAシークエンスやBLO-M1の蛍光体の局在を行うことで、抗がん作用に関わる経路を明らかにするため、研究期間の延長を申請した。

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公開日: 2024-12-25  

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