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2022 年度 実施状況報告書

RBPJの発現レベルに影響される膠芽腫の細胞形質転換とテモゾロミドの反応性

研究課題

研究課題/領域番号 21K09145
研究機関金沢大学

研究代表者

田中 慎吾  金沢大学, 医学系, 助教 (40507084)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードRBPJ / Notch signal / 膠芽腫
研究実績の概要

Notch signalの発現強度にかかわる核内タンパクであるRBPJの発現は、神経膠腫において悪性度が高くなるほど高発現することを確認した。患者由来の悪性神経膠腫(膠芽腫)の幹細胞株を作成した。作成した膠芽腫幹細胞株は全てRBPJの発現が正常よりも明らかに高発現していることを確認した。膠芽腫幹細胞株では細胞表面タンパクの発現がmesenchymalマーカーであるCD44,YKL40が高発現を呈したのに対してRBPJ発現抑制した膠芽腫幹細胞株ではCD44,YKL40の発現は低下し、proneuralマーカーであるOligo2、PDGFRが高発現となり細胞形質の変化が認められた。臨床では、膠芽腫標準化学療法としてテモゾロミドが使用されるが効果が患者によって様々なことが報告されている。作成した膠芽腫幹細胞株(コントロール群)とRBPJ抑制膠芽腫幹細胞株(RBPJ抑制群)にテモゾロミドを投与し細胞増殖試験を施行した。コントロール群では濃度依存性にわずかに細胞増殖低下を認めるもののテモゾロミドの効果が乏しく、RBPJ抑制群もコントロール群と同様に効果が乏しい結果であり、RBPJ抑制群がテモゾロミドによく効いている結果はえられなかった。薬物抵抗性に関係するCD133に発現を確認したところRBPJ抑制群ではCD133の発現がコントロール群よりも低下していた。従って、RBPJ抑制幹細胞株に対するテモゾロミドの効果はRBPJ抑制によって生じるCD133の高発現がテモゾロミドへの反応性を低下させている可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ストックしてきた膠芽腫幹細胞の培養系がすすまず実験系そのもの影響した。長期間の培養が影響し、細胞背景が変化した可能性がある。
て

今後の研究の推進方策

RBPJ抑制幹細胞株に対するテモゾロミドの効果はコントロールと概ね変化がなく、これにはRBPJ抑制によるCD133の高発現が影響していると考えられる。膠芽腫幹細胞株ではなく、膠芽腫のCell line(U251、T98など)を使用に変更して研究をすすめる。

次年度使用額が生じた理由

細胞培養系のトラブルと想定された実験結果が得られなかったため動物実験等がすすまなかった。

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公開日: 2023-12-25  

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