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2022 年度 実施状況報告書

悪性神経膠腫のエピゲノム変化に対応した分子標的抗癌剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09150
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

椎野 顯彦  滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 准教授 (50215935)

研究分担者 谷垣 健二  滋賀県立総合病院(研究所), 神経病態研究部門, 専門研究員 (70362473)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード悪性神経膠腫 / 分子標的薬
研究実績の概要

これまでのファージディスプレイの研究で、静脈投与でglioblastoma xenograft モデルの脳腫瘍に選択的に到達可能なペプチドプローブを開発した。特に注目すべきは、腫瘍幹細胞にも取り込まれていたことである。しかしながら、その後の研究で一旦取り込まれてもエンドゾームで分解・代謝され、抗腫瘍効果があまり得られないことが判明した。エンドゾームの作用を回避する目的で、ナノエマルジョンにプローブを表出させ、内部に抗腫瘍薬物を封入することにした。vitro系では、エマルジョンが腫瘍細胞膜にfusionし内部の薬剤を到達させ、腫瘍細胞を死滅させることを確認した。vivoで同様の効果が得られるかを確認する目的で、テトラフエニルポルフィリンでPeptide-Brij58エマルジョンがglioblastoma xenograft モデルで脳腫瘍に集積するか検討するためのセットアップをした。その結果、peptide emulsion が腫瘍に集積していることをimaging, 蛍光発光の定量化で証明できた。具体的な手法は以下の通り。
Nitroxide radicalがテトラフエニルポルフィリンの蛍光をクエンチするため、まずは、磁性ナノ粒子を還元することによって蛍光検出するための条件検討を実施。ascorbic acid 5mM, 40mM, 200mM,500mM で110分 処理することで経時的にペプチドエマルジョンに抱合されたテトラフエニルポルフィリンの蛍光が回復する過程の定量化を実施。その結果、ascorbic acid 500mM で110分処理することが必要との結果を得た。
glioblastoma xenograft モデルでテトラフエニルポルフィリンを取り込ませたPeptide-Brij58 エマルジョンを投与し30分後に脳を摘出し、薄切の後、ascorbic acid 500mM で110分処理を行い、テトラフエニルポルフィリンの脳腫瘍への集積を確認すると同時に、脳腫瘍のhomogenate を用いてテトラフエニルポルフィリン蛍光を定量化し、その脳腫瘍への蓄積を証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

glioblastoma xenograft モデルの作成に予定より時間を要したこと。また、分子標的薬が選択的にこのモデルのターゲットに到達していることを定量する手法の開発に試行錯誤が必要であった。しかしながら、これまでの実験で研究は確実に進んでおり、今後、予定目標には到達できるものと思われる。

今後の研究の推進方策

これまでの成果を論文としてまとめるとともに、最も治療効果の高い治療薬を選択する予定。

次年度使用額が生じた理由

分子標的用のペプチド合成を本年度に予定していたため。

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公開日: 2023-12-25  

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