研究課題/領域番号 |
21K09153
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
吉田 史章 佐賀大学, 医学部, 教授 (60529791)
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研究分担者 |
加藤 隆弘 九州大学, 大学病院, 講師 (70546465)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | うつ病 / ニューロモデュレーション / 脳刺激 |
研究実績の概要 |
脳深部刺激療法 (Deep Brain Stimulation: DBS) はパーキンソン病などの不随意運動疾患患者に対して効果的な治療法であると確立されている。欧米では、この治療法が精神疾患であるうつ病に対しても一定の効果があると認められている。本邦でもうつ病へのDBS導入の動きはあるものの実現していない。その理由としては、うつ病へ のDBSの効果や、作用機序がいまだに不透明であることが挙げられる。そこで本研究では、オプトジェネティクス脳刺激の基盤技術を活かし、うつ病に関与する 脳活動の解明とうつ病に効果的な治療法開発を目指している。 令和 4年度は、令和3年度に引き続き、うつ病モデルマウスを安定して作成し、電気DBSがうつ病に対して効果があることを確認する実験を行うと同時に、光遺伝学的神経刺激のために、米国MITから光応答性イオンチャネルを神経細胞に発現するためのウイルスベクター作成用プラスミドを譲受し、ウイルスベクターを作成した。このウイルスベクターをマウス脳に投与し、光反応性イオンチャネルの発現は認められたものの、予測したよりも神経活動への効果は高くなく、期待した行動変化が得らなかった。そのため、別のウイルスベクターを用いて効果の改善を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
代表研究者の異動があり、数ヶ月間のブランクが発生した。また、本年度も COVID-19の影響下で共同研究者同士の対面交流が困難であり進行遅延が懸念されたが、少しの遅れで次年度の計画へと進行できている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに、令和5年度より光遺伝学的DBSを用いて特定のニューロン群を刺激することで、どうしてDBSが効果を持つのかというその作用機序を詳細に確認する。ただ、光反応性イオンチャネルの種類には計画当初からの変更が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表研究者の異動に伴い、研究機関に一時的なブランクがあったため。
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