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2021 年度 実施状況報告書

LSD1のコレステロール代謝制御を介したIDH1・p53変異神経膠腫の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21K09155
研究機関鹿児島大学

研究代表者

坂元 顕久  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30404479)

研究分担者 吉本 幸司  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70444784)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードLower grade glioma / IDH mutation / TP53 mutation
研究実績の概要

The Cancer Genome Atlas(TCGA)データベースの解析から、グリオーマにおいて、コレステロール合成経路に関与する酵素群をコードする遺伝子の発現は、その悪性化に伴って抑制される。特に低悪性度グリオーマにおいては、イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)遺伝子に変異が生じると、コレステロール合成経路の遺伝子の発現が高くなり、そこにTP53遺伝子の変異が加わるとそれらの遺伝子発現が抑制されていることを確認した。
ヒストン脱メチル化酵素であるLysine-specific demethylase 1(LSD1)は、主に転写促進性のヒストンマークであるヒストンH3K4のメチル化を脱メチル化する酵素であり、転写抑制性に機能する。TCGAデータベースの解析から、低悪性度グリオーマではTP53遺伝子変異が生じている群において、LSD1遺伝子が高発現していることを確認した。また、正常ヒトアストロサイト、不死化ヒトアストロサイト(CDKN2A遺伝子ノックアウトアストロサイト)、グリオブラストーマ細胞を用いた実験において、LSD1特異的siRNAによるノックダウンやLSD1特異的阻害剤であるS2101によってLSD1の機能を阻害すると、コレステロール合成経路の律速酵素をコードするHMGCR遺伝子やHMGCS1遺伝子、そしてコレステロール合成を促進する転写因子をコードするSREBF2遺伝子の発現が誘導されることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究体表者の異動に伴い、研究時間の確保が難しかった。また、薬剤誘導性にIDH1変異またはTP53変異を導入できるベクターを作製しているが、遺伝子変異を導入した細胞株の確立がうまく行っていない。

今後の研究の推進方策

研究時間の確保を図り、薬剤誘導性にIDH1変異とTP53変異を導入した細胞株の確立を行いながら、他の細胞株でのIDH1変異やTP53変異によるLSD1を介したコレステロール代謝への影響に関わるデータを蓄積する。細胞株確立後は、RNA sequenceなどにより遺伝子発現変化を網羅的に解析する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は研究体表者が異動に伴い研究時間の確保が難しくなり、研究費を利用できなかった。今年度はRNA sequenceなどの網羅的解析にその研究費を利用したいと計画している。

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公開日: 2022-12-28  

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