研究課題/領域番号 |
21K09163
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
仁藤 智香子 日本医科大学, 医学部, 教授 (30409172)
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研究分担者 |
須田 智 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00366733)
宮川 世志幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (90415604)
笠原 優子 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (90391911)
永田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト准教授 (50362976)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 細胞治療 / エクソソーム / 脳虚血 |
研究実績の概要 |
一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルにおける羊膜(AMSC)由来MSCエクソソーム の有効性の検討とmiRNA解析を目的として研究を進めている。 AMSC由来MSCを培養し、その培養上清よりAMSC由来のエクソソーム(AMSC-Exo) を超遠心法にて回収し、エクソソーム・マーカーであるCD9およびCD63をELISA法にて確認した。C57BL/6マウスを用いて60分間の一過性局所脳虚血モデルを作製し、虚血再灌流直後に回収したAMSC-Exo を脳室内または経静脈的に投与し、再灌流3日後および7日後の梗塞巣や運動機能などの治療効果の評価を行った。しかし、この動物モデルでは7日後まで生存する確率が0%であり、梗塞巣のみならず長期の運動機能や認知機能などの治療効果の評価は困難であった。そこで、虚血時間を45分間または30分間へ短縮して再度実験を行ったが、45分間虚血においても7日後の生存率は43%であり、30分間虚血では生存率は83%に上昇するも梗塞範囲の不安定性が顕著となり、治療効果の評価に適さない結果となった。 その後、中大脳動脈永久閉塞モデルを用いて引き続き同様の検討を行なっているが、少なくとも再灌流14日後までの生存はほぼ100%であり、梗塞範囲も安定しており、長期の運動・認知機能評価についても実施可能であることが確認された。引き続き、AMSC-Exo の炎症抑制効果や血管新生作用についての検討も行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト羊膜由来間葉系幹細胞からのエクソソーム 回収については問題なく実施できたが、虚血再灌流モデルにマウスを用いたことにより予想以上に動物の生存率が悪く、虚血時間の短縮等を試みるも厳しく、長期の機能評価に適さないモデルと判断した。そのため、本実験の継続については、動物モデルの変更を考慮することとした。
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今後の研究の推進方策 |
動物モデルをマウス虚血再灌流モデル(tMCAO)から中大脳動脈永久閉塞モデルへ変更し、長期の運動機能や認知機能障害の評価が可能であることを確認出来たため、このモデルを用いてAMSC-Exo の炎症抑制効果や血管新生作用についての検討を行う予定である。また、AMSC-Exoに内包されているmiRNAの網羅的発現解析を行ない、発現しているmiRNAの上位を確認し、骨髄由来間葉系幹細胞由来ExoのmiRNAとの比較検討や治療関連遺伝子の同定を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に際し用いた動物実験モデルが本研究に適しておらず、研究の進行が遅れたため。
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