研究課題/領域番号 |
21K09170
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松田 真秀 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30614333)
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研究分担者 |
石川 博 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30089784)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 不活化ウイルス粒子 / 悪性髄膜腫 / 核酸医薬療法 |
研究実績の概要 |
昨年度にヒト悪性髄膜腫細胞株IOMM-LeeおよびHKBMMに対するHVJ-Eの治療核酸分子導入能を確認しており、本年度は治療核酸分子を導入した治療実験を行った。TERT・PTK2・FOXM1に対するsiRNAやmiRNA200a・let7aなどのmicroRNAの導入を行ったが、これらの治療核酸分子による明らかな抗腫瘍効果は示されなかった。一方で、miRNA34a導入を行ったところ、HVJ-E単独と比べて腫瘍細胞増殖抑制効果の著明な増強が誘導された。miRNA34a導入による腫瘍細胞増殖抑制効果の機序を解明するために、細胞周期解析やアポトーシス解析をすすめている。また、miRNA34aの標的分子としてSMAD4・FRAT1・Bcl-2などが同定されており、これらの分子に関する解析を予定している。 昨年度にIOMM-Leeを用いたマウス髄膜腫モデル作成を確立しているが、本年度はまず治療実験のための移植細胞数や治療開始時期に関する予備実験を行った。その後にHVJ-E単独治療実験を行ったところ、HVJ-E単独投与による腫瘍増大の著明な抑制効果が確認された。これをうけて、miRNA34a封入HVJ-E投与による抗腫瘍効果の評価を予定している。 臨床検体からの細胞株樹立に関しては、異型性髄膜腫からの初代培養株およびGrade1髄膜腫からの初代培養株樹立が順調にすすんでいる。今後はこれらの動物生着性の評価をすすめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
治療核酸分子を決定することができ、抗腫瘍効果の機序に関する解析に移行している。動物実験に関しては治療タイミング決定などの予備実験に時間がかかったが、核酸分子を用いた治療実験を開始する準備が済んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はin vitroとin vivoの実験における幅広い解析を行っていく予定である。
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