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2022 年度 実施状況報告書

虚血性脳卒中に対する移植幹細胞の神経再生過程の可視化と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K09186
研究機関獨協医科大学

研究代表者

鈴木 謙介  獨協医科大学, 医学部, 教授 (20400674)

研究分担者 鈴木 亮太郎  獨協医科大学, 医学部, 講師 (10552309)
大根田 修  筑波大学, 医学医療系, 教授 (30311872)
丸島 愛樹  筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
穐吉 亮平  獨協医科大学, 医学部, 講師 (80572859)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード脳梗塞 / 再生医療 / 幹細胞 / 二光子顕微鏡
研究実績の概要

虚血性脳卒中に対する再生医療では、細胞医薬の静脈内投与と脳内直接移植が行われている。その主要な効果は、移植細胞からの栄養因子作用、抗炎症作用、免疫調整作用による神経保護効果と、それに伴う神経症状の改善である。しかし、神経保護効果は病態改善を目的とした対症療法的な治療に過ぎず、中枢神経系ネットワークの組織再生を目的とした根治的な再生医療は実現していない。
効果的な根治的再生医療を実現するために、移植細胞の脳梗塞病変部への遊走、生着、分化、そして中枢神経系ネットワークの再生が必要である。
当該年度は、異なる組織から得た各種幹細胞をマウス脳梗塞モデルに静脈内、脳動脈内、もしくは脳内直接移植を行い、脳梗塞病変部への移植細胞の遊走、生着、分化を経時的、かつ組織学的に評価した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

神経細胞の可視化のためアデノ随伴ウイルスベクター(pAAV-syn-GFP)を用いて神経細胞にGFP発現させたマウスを用いて、脳梗塞モデルの作成の準備を行った。このモデルの脳梗塞病変部に、前駆細胞、幹細胞を直接移植し、移植細胞の経時的、組織学的変化を、細胞表面抗原、シナプス形成を評価し、神経症状の改善効果を評価する計画であったが、脳梗塞モデルの作成に手間取り、進行が若干遅れている。
移植細胞の分化の評価は、Nestin、β3tubulin、MAP2、NeuN(以上、神経幹細胞~未熟・成熟神経細胞)、GFAP、Oligo2、Iba1(以上、グリア系細胞)により評価し、シナプス結合はNF200(有髄神経)、 SynaptophysinとPSD95 (以上、Pre-,post-synaptic marker)により評価した。神経系ネットワーク再構築の評価は、Fluoro-Gold(皮質脊髄路の逆行性トレーサー)により評価した。さらに神経症状の評価法を、前肢の左右での使用頻度の差(シリンダーテスト)、前肢に付着した粘着テープを剥がすまでの時間(アドヒーシブテスト)、ローターロッドテストにより実施した。

今後の研究の推進方策

二光子顕微鏡により、生体下でマウスの大脳皮質神経細胞の形態を観察するために、代表施設所有のThy1-EGFPマウス(大脳皮質第5層の興奮性神経細胞に発現するThy1遺伝子プロモーターの制御下にGFPを発現させた遺伝子改変マウス)を用いて生体内リアルタイムイメージング法と二光子顕微鏡を組み合わせ、移植細胞をGFPの蛍光輝度としてとらえる。各種細胞移植後の経過を同一個体で同一領域においてin vivo イメージングを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で学会参加することなく、経費を使用しなかった。また次年度の二光子顕微鏡による組織評価にコストがかかることが予想されているため、翌年に繰り越して使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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