研究課題/領域番号 |
21K09188
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
竹田 理々子 帝京大学, 医学部, 教授 (70649847)
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研究分担者 |
佐藤 大樹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80922608)
栗田 浩樹 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70262003)
榎元 廣文 帝京大学, 理工学部, 准教授 (30609392)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アラキドン酸 / リノレイン酸 / 脳動脈瘤 / くも膜下出血 / 脳動脈瘤モデル |
研究実績の概要 |
本研究では「アラキドン酸(AA)の蓄積が動脈瘤破裂のトリガーまたは予測因子になりうる」と仮定し、動物動脈瘤モデルを用いて破裂とAAの関連を明らかにすることを目的としている。 今年度はまず動物実験を開始すべく環境(倫理委員会申請・承認、麻薬研究者免許申請・取得、機器・薬剤購入)を行った。その後マウス脳動脈瘤モデルを作成した。この脳動脈瘤モデルは、エラスターゼを脳槽内に注入することで脳血管の内弾性板を破壊し、人為的高血圧による剪断応力を脳血管に与えることで、高率に脳動脈瘤が発生し、自然経過で脳動脈瘤が破裂するというモデルである。左腎臓を摘出後、回復期を一週間設けた後に、脳動脈瘤誘導を行う。脳動脈瘤誘導は、全身麻酔(80-120 mg/kg ケタミン + 5-10 mg/kg キシラジン、腹腔内注射)と、頭部及び背部に局所麻酔(0.05-0.1 mg/kg ブプレノルフィン、皮下注射)とを併用して、定位的にエラスターゼを脳底槽内に注入するとともに、DOCA(deoxycorticosterone acetate)を皮下に留置し、1% NaClを経口投与して行う。その後の21日間は、体重の経過や神経学的所見を連日にわたり観察し記録する。経過中、24時間以内に体重の10%の減少や、神経学的所見が認められた場合、術後21日が経過した場合には安楽死の処置を行う。それぞれの術後で、必要に応じて局所麻酔薬を追加し、疼痛の緩和に努めた。 30匹のマウス(C57BL/6J)に対して誘導を行い、このうち21匹に動脈瘤を認めた。コントロール3匹とともにDESI-IMSによる質量分析での解析を進めているところである。現在の途中解析では、動脈瘤自体にアラキドン酸は認めていないが、動脈瘤頸部にアラキドン酸の前駆物質であるリノレイン酸の明らかな蓄積を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物への麻薬免許や倫理委員会の承認までに予想より時間を要したため、実際に実験を開始できたのが後半以降となったため。
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今後の研究の推進方策 |
残りの検体の質量分析を進め結果を解釈しまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
定位脳手術のための固定器を購入する必要がなくなったため。
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