研究課題/領域番号 |
21K09198
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三輪 真嗣 金沢大学, 医学系, 助教 (40753455)
|
研究分担者 |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40227434)
武内 章彦 金沢大学, 附属病院, 助教 (70512218)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 肉腫 / 免疫療法 / 免疫チェックポイント |
研究実績の概要 |
様々な悪性腫瘍において,免疫療法の有効性が示されているが,骨軟部肉腫における免疫療法の有効性を示した報告はわずかである.これまでに我々は難治性骨軟部肉腫患者に対して樹状細胞を用いた免疫療法を臨床試験として行ってきた.今回の研究では,樹状細胞療法をうけた骨軟部肉腫患者において,免疫チェックポイントの発現と免疫療法の有効性・免疫反応の相関を調査し,免疫チェックポイントが免疫療法の治療効果に与える影響を検討した. この臨床試験において,腫瘍の縮小効果がみられたのは35例中1例で,病勢コントロールが得られたのは35例中7例であった.今回の研究では,これらの患者の腫瘍組織におけるPD-L1,PD-L2,HLA class Iの発現と,血液中の免疫反応(IFN-γ,IL-12),腫瘍学的転帰との相関を調査した.結果として,PD-L2群は免疫療法後のIFN-γ,IL-12の上昇がPD-L2群よりも低いことが示された.病勢コントロール率はPD-L1群で0%,PD-L1群で22%であった.また,PD-L2群における病勢コントロールは13%,PD-L2群は22%であった.さらに,PD-L1陽性患者はPD-L1陰性群と比べて有意に全生存期間が長いことが示された.一方,HLA class Iの発現と免疫反応,腫瘍学的転帰との間に関連性はみられなかった. 以上の結果から,PD-L1,PD-L2が樹状細胞療法における有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された.また,樹状細胞療法に免疫チェックポイント阻害薬を併用することで樹状細胞療法の効果が増強される可能性が示唆された.
|