研究課題/領域番号 |
21K09211
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
木戸 勇介 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60895738)
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研究分担者 |
橋爪 洋 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10326382)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60401064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子どもロコモ / 運動器検診 |
研究実績の概要 |
本助成事業に先立って、2021年1月に和歌山県かつらぎ町立妙寺中学校において運動器検診を行った。生徒171名(1年生53名、2年生59名、3年生59名)に対して、①片足立ち、②しゃがみ込み、③肩挙上、④体前屈の4項目の可否を調査し、いずれかが否であった生徒を「子どもロコモ」と判定した。その結果、全校生徒の56.1%が子どもロコモであり、多くが②しゃがみ込み、または④体前屈における該当であった。このことから、過去の報告と同様に、中学生における子どもロコモの実態は柔軟性低下である、と推察し、柔軟性向上の重要性を改めて実感した。実際、柔軟性低下は子どものケガ・スポーツ傷害の主な一因であることから、検診結果説明会の場では「ジャックナイフストレッチ」の指導を行った。 2021年10月に同校において2回目の運動器検診を行った。生徒163名(1年生50名、2年生53名、3年生60名)に対して、同項目の調査を行ったところ、47.2%が子どもロコモと判定された。第1回目の運動器検診時と比較して子どもロコモの割合が少なかった理由として、(1) 運動器検診や説明会の実施、部活動などの放課後活動の制限緩和による好影響の可能性、(2) 単純動作である調査項目に対する慣れの可能性、(3) 検診を行った季節(気温差)による影響の可能性、を挙げた。運動指導に関しては、検診会場で1人1人に直接「ジャックナイフストレッチ」指導を行った。同時に日々の運動習慣や生活様式に関する自記式アンケートを実施しており、それらと子どもロコモとの関連性に関して現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、和歌山県かつらぎ町立の小学校5校、中学校2校、計1000名の児童生徒を対象とした運動器検診を計画していたが、新型コロナウイルス感染症再蔓延の影響を受け、現状はかつらぎ町立妙寺中学校のみでの検診実施にとどまっている。今後は感染症鎮静化の折を見ながら、未施行の小中学校においても検診業務を計画する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き小中学生を対象とした運動器検診実施を計画しており、子どもロコモに関する横断調査ならびに縦断調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記記載の通り、新型コロナウイルス感染症蔓延により、当初の計画通りの検診が出来ておらず、繰越金が生じた。次年度においては十分な感染症対策の下、スピーディな検診業務を行えるように、人的・物的資源のために繰り越した助成金を使用する予定である。
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