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2021 年度 実施状況報告書

WNTアンタゴニストSFRP5によるWNT非依存的な骨代謝調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K09216
研究機関岡山理科大学

研究代表者

村上 康平  岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (60791837)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード骨形成 / 骨代謝 / Sfrp5 / Wntシグナル / 骨芽細胞
研究実績の概要

WNTシグナルは骨形成を促進するシグナルであり、多くのWNTアンタゴニストは骨形成を抑制する。そのため、骨粗鬆症の治療標的として、WNTアンタゴニストに関する研究が世界各国で進められている。Secreted frizzled-related protein 5(Sfrp5)は、脂肪細胞のみが分泌するWNTアンタゴニストである。申請者はSfrp5欠損マウスの骨を解析し、Sfrp5が破骨細胞形成を抑制し、骨芽細胞の分化を促進することを発見した。本申請課題では、Sfrp5の骨代謝調節メカニズムを明らかにし、WNTアンタゴニストSfrpファミリーの新たな一面を解き明かすことを目的としている。
研究計画に則って、Halo-tagで標識したSfrp5を骨芽細胞に発現させて、骨芽細胞の培養上清と共免疫沈降し、Sfrp5と相互作用する蛋白質21種を同定した。この中には、既知のSfrp5の相互作用因子であるWnt5aも含まれていた。さらに、これら候補蛋白質に対するshRNAを発現する組換えアデノウイルスを作製した。次年度では、初代培養骨芽細胞でこれらの因子をノックダウンし、Sfrp5の分化促進作用が消失する因子Xを同定する。
また、骨芽細胞の微量転写開始点解析技術(CAGE)を利用して、Sfrp5が活性化するプロモーターを網羅的に調べた。さらに、motif解析によってSfrp5が活性化する転写因子の候補の同定に成功した。これらの転写因子を過剰発現するアデノウイルスの作製も完了している。次年度では、これらを利用して骨芽細胞の分化を調節する転写因子を明らかにする予定である。
以上、令和元年度に予定していた計画を遂行し、本研究目的に結び付く結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画していた実験はすべて順調に結果が得られているため。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果より、Sfrp5が相互作用する細胞外因子や転写因子(シグナル経路)の候補が同定された。
今後は、これら候補分子とSfrp5との関連性を証明するための実験を行う。また、当初の計画通り、骨粗鬆症治療薬としての有用性を検討するために、アデノ随伴ウイルス(AAV9)によって骨組織にSfrp5を過剰発現させて骨量の変化を解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験が予定よりも順調に進行し、培養に関わる消耗品(培地や組換え蛋白質など)の使用量が少なくて済んだため。
次年度使用額は、マウスの購入費用や骨形態解析費用等に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Inhibitor of protein kinase N3 suppresses excessive bone resorption in ovariectomized mice2022

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Uehara, Hideyuki Mukai, Teruhito Yamashita, Masanori Koide, Kohei Murakami, Nobuyuki Udagawa, Yasuhiro Kobayashi
    • 雑誌名

      Journal of Bone and Mineral Metabolism

      巻: 40 ページ: 251-261

    • DOI

      10.1007/s00774-021-01296-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Augmentation of Stimulator of Interferon Genes-Induced Type I Interferon Production in COPA Syndrome2021

    • 著者名/発表者名
      Takashi Kato,Masaki Yamamoto,Yoshitaka Honda,Takashi Orimo,Izumi Sasaki,Kohei Murakami,Hiroaki Hemmi,Yuri Fukuda-Ohta,Kyoichi Isono,Saki Takayama,Hidenori Nakamura,Yoshiro Otsuki,Toshiaki Miyamoto,Junko Takita,Takahiro Yasumi,Ryuta Nishikomori,Tadashi Matsubayashi,Kazushi Izawa,Tsuneyasu Kaisho
    • 雑誌名

      Arthritis & Rheumatology

      巻: 73 ページ: 2105-2115

    • DOI

      10.1002/art.41790

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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