研究課題/領域番号 |
21K09220
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
筑田 博隆 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30345219)
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研究分担者 |
柳川 天志 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40400725)
中島 崇仁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70375559)
岡邨 興一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90527722)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨巨細胞種 / 光免疫療法 / RANKL / デノスマブ |
研究実績の概要 |
骨巨細胞腫は若年世代の関節周囲に発生する。現在行われている腫瘍掻爬術後の局所再発率は高く、再手術を要する例も少なくない。
本研究では骨巨細胞腫に強く発現する破骨細胞誘導因子 RANKLと最近実用化された光免疫療法に着目し、すでに臨床応用されているヒトRANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)を光免疫療法用に改変し、RANKLを発現する細胞に対する選択的な殺傷効果を検証する。
本年度は、蛍光増感剤(IR700)を標識した抗ヒトRANKL抗体(IR700 conjugate)を作成し、作成したIR700 conjugate抗体がRANKLに対する特異的な結合能を保持していることを確認した。RANKL発現細胞として、hFOB 1.19(ヒト骨芽細胞腫株)、HSC-3 (ヒト扁平上皮癌(舌))、HO-1-N-1(ヒト扁平上皮癌(頬粘膜))を培養し、RT-PCRおよびWesternブロットにて発現を確認した。各細胞を培養後、IR700 conjugate抗体を散布し、6時間後に蛍光顕微鏡で結合を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RANKL発現細胞株として上記細胞の他に、SAOS-2 (ヒト骨肉腫由来細胞株)の培養を実施したが、継代に難渋し全体の進捗に影響した。当初予定していた、赤外線照射による細胞殺傷能力の確認が実践できていない。 一方で、次年度以降に開始する予定であったヒト骨巨細胞種(GCT)の検体を用いた実験について、GCT細胞株を入手できたことから、RANKL発現株の実験と並行して開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
IR700 conjugate抗体の結合が確認できたRANKL発現細胞株に対して近赤外線を照射し、MTTアッセイにより細胞の生存率を評価する。RANKLを発現しない細胞株でも同様の実験をおこない、RANKLの発現に依存した選択的な細胞殺傷効果があることを確認する。 GCT細胞株を培養し、in vitro および マウスを用いたin vivo実験を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していたMTTアッセイ等の実験の一部を次年度に遂行するために必要である。
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