研究課題/領域番号 |
21K09222
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
平野 徹 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (10334682)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児腰痛 / 心理社会的要因 / アンケート調査 / 生活の質 |
研究実績の概要 |
本研究は、小児腰痛のQOLに与える影響、および小児腰痛と心理社会的要因との関連性を、アンケート調査によって明らかにする疫学研究である。 研究機関は3年間で、当初は2021年にアンケート調査を行う予定として準備を進めていた。本研究は、中学2年生を対象としたアンケートを用いた疫学研究だが、その実施には我々の過去の疫学調査でも協力していただいた新潟市教育委員会の協力が必須であった。しかし、2021年秋におけるCovid-19の状況下でのアンケート実施については学校側の負担が大きいとの意見もあり、その実施時期について延期せざるを得なくなった。2022年1月の時点で教育委員会と協議したところ、2022年春から夏、すなわち運動器検診も含まれる学校検診の時期が適当ではないかとの意見で一致した。しかし、各校での感染流行の状況が異なり、なかなか一斉同時期のアンケート実施が困難な状況が持続した。 最終的にはやや時期はずれ込んだものの、2023年2月にアンケート調査が実施でき回収も終了した。その後アンケート結果の入力を行っているがほぼこれも終了し、解析できる準備がほぼ整った。解析には1-2か月程度を要する見込みである。以前の我々の小規模アンケート調査(中学校2年生対象有効回答数約200名)では、腰痛を有する例でPedsQL(小児のQOL評価アンケート)において社会機能(対人関係)や学校生活での異常例が多くQOL低下と関連があること、また腰痛を有する例でSDQ(小児の心理社会的評価アンケート)において情緒・統合での異常例が多く、心理社会的要因と関連があることが示されている、本解析においても、これらの結果がより大規模な調査でも同様に認められるかが明らかとなる。また、以前の調査との比較により、Covid-19下での小児腰痛の変化についても新たな知見が得られる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の感染状況により、学校での一斉アンケート調査の実施が大幅に遅れた。しかし、教育委員会の協力の下アンケート調査がようやく実施できた。2500名にアンケートを配布し、回収した。自由意志でのアンケート調査であり、約半数の1260名より回答が得られた。 アンケート調査のデータ入力についてはほぼ終了している。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートの送付、実施、回収およびデータ入力まで施行した。今後は1-2か月でアンケート調査の解析を予定している。必要に応じて、医療統計の専門家の助言を仰いで統計解析を施行し、今年度中に本研究を完遂予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度にアンケート調査のデータ入力等の人件費や学会発表旅費を支出する予定であったが、アンケート調査の実施がCovid-19の影響から遅れたため、これらの費用が支出されなかった。2023年度には2022年度で使用予定であった諸費用を使用して研究を遂行する予定である。
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