研究課題/領域番号 |
21K09229
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
高尾 真一郎 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 整形外科医師 (20847842)
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研究分担者 |
三澤 治夫 岡山大学, 大学病院, 助教 (60448222)
鉄永 倫子 岡山大学, 大学病院, 助教 (70601384)
鉄永 智紀 岡山大学, 大学病院, 助教 (90571224)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | HMGB1 / 神経障害性疼痛 |
研究実績の概要 |
組織損傷に応じて細胞外へ放出され、炎症を惹起する細胞核内タンパクであるHigh Mobility Group Box 1 (HMGB1)が、神経障害性疼痛患者における、疼痛の客 観的評価指標バイオマーカーとしての有用性を明らかなにするため、当該施設において何らかの疼痛に対する治療中の患者146名を対象として、pain-DETECTと呼ばれる神経障害性疼痛のスクリーニングツールを用いて神経障害性疼痛の有無を調査し、神経障害性疼痛と血漿HMGB1濃度との関連を調査した。当該年度の前年度までは研究対照群として疼痛を有さない、もしくは、軽微な程度の疼痛を有する患者と、神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛を有する患者の血漿HMGB1濃度の測定を実施した。当該年度では、さらに多くの神経障害性疼痛を有する患者の血漿HMGB1濃度の測定を実施し、痛みの程度を示すNumerical rating scale (NRS)や神経障害性疼痛のスクリーニングツールであるpain-DETECTとの関連を調査した。また、その他の疼痛関連スコアとの関連も調査した。対象患者における血漿HMGB1とNRSとは有意な相関を示さなかったものの、pain-DETCTのスコアが高い群、つまり、神経障害性疼痛を有する可能性が高い群では、pain-DETECTのスコアが低い群、つまり、神経障害性疼痛を有する可能性が低い群と比較すると血漿HMGB1濃度が有意に高値であることが示された。その他の疼痛関連スコアと血漿HMGB1濃度との有意な関連は示さなかった。本研究によって、HMGB1が神経障害性疼痛との関連が示唆され、HMGB1が、神経障害性疼痛の客観的評価指標バイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。
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