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2021 年度 実施状況報告書

腱・靭帯老化の基礎的解析と腱・靭帯機能不全が筋骨格系組織へ及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 21K09242
研究機関日本医科大学

研究代表者

吉本 由紀  日本医科大学, 医学部, プロジェクト助教 (40735304)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード腱 / 老化
研究実績の概要

アキレス腱の老化の組織形態変化を時系列に沿って解析した。
4、7、13、22、28ヶ月齢のC57BL/6のマウスそれぞれ5匹ずつから、アキレス腱を採取し、片方は凍結切片作成用ブロック、もう片方はRNA抽出を行なった。まず、29ヶ月齢のマウスのアキレス腱の組織解析をしたところ、腱の組織の半分以上が石灰化していたた。この組織変性がいつから起こるのかを同定するために、4、7、28ヶ月のマウスの組織切片を非固定非脱灰条件下で作成し、石灰化と骨化を解析するためにアリザリンレッドとアルカリフォスファターゼ染色を行った。これらの解析の結果、アキレス腱の骨化はすでに7ヶ月齢のマウスにおいて認められ、加齢に伴って骨化範囲が広がることを明らかにできた。また、現在の組織解析の切片作成法では、硬い組織である骨を切ることができないために、アキレス腱のみを切り出して準備しなければならない。骨化の位置関係を腓腹筋、ヒラメ筋、脛骨、踵骨との比較によって解析したいと考え、骨を非脱灰で切片化できる川本法を用いて、老齢マウスのアキレス腱の骨化の位置を解析した。この結果、既報と同様、踵骨付け根を主体とすることが解った。しかし、骨化したアキレス腱を通常の川本法で切片化することが難しく、クリアな組織像を得ることができないと解ったので、さらなる改善が必要とされる。
また、これらの異所性骨化が内軟骨性骨形成を経ているのかを探るために、軟骨基質を染色したところ、一部は染色されているが、大部分は染まらず、直接骨化が起こっている可能性が示唆されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスを採取するために時間を必要としたが、十分な数と時系列に沿ったタイムポイントが確保でき、今後の実験のための準備が整えられた。さらに、アキレス腱を解析する上で困難な点と克服すべき点がクリアになった。

今後の研究の推進方策

当初予測したより、腱組織の加齢による変性が大きいことが明らかになり、この組織変化を、加齢的な代謝の変化や炎症と関連付けて明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度の途中で、研究者が受入施設を移動したため、その間の支出計画に遅れがあった。次年度内に、再び、施設を移動する予定があり、移動先の施設において、研究環境を整えたり、試薬を準備する必要があるために、次年度使用額として計上している分を使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Tenogenic Induction From Induced Pluripotent Stem Cells Unveils the Trajectory Towards Tenocyte Differentiation2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki Yoshimoto, Akiyoshi Uezumi, Madoka Ikemoto-Uezumi, Kaori Tanaka, Xinyi Yu, Tamaki Kurosawa, Shinsei Yambe, Kazumitsu Maehara, Yasuyuki Ohkawa, Yusuke Sotomaru, Chisa Shukunami
    • 雑誌名

      Frontiers in Cell and Developmantal Biology

      巻: 10 ページ: 780038

    • DOI

      10.3389/fcell.2022.780038. eCollection 2022.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Scleraxis upregulated by transforming growth factor-β1 signaling inhibits tension-induced osteoblast differentiation of priodontal ligament cells via ephrin A22021

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Kawatsu, Nobuo Takeshita, Aki Takimoto, Yuki Yoshimoto, Masahiro Seiryu 2 , Arata Ito 2 , Seiji Kimura 2 , Tadafumi Kawamoto, Yuji Hiraki, Chisa Shukunami , Teruko Takano-Yamamoto
    • 雑誌名

      Bone

      巻: 149 ページ: 115969

    • DOI

      10.1016/j.bone.2021.115969. Epub 2021 Apr 21.

    • 査読あり
  • [学会発表] ScxGFP iPS細胞を用いたin vitro腱・靭帯分化誘導におけるシングルセル解析2021

    • 著者名/発表者名
      吉本 由紀
    • 学会等名
      17th Meeting of Bone Biology Forum
    • 招待講演
  • [学会発表] ScxGFP iPS細胞を用いて樹立したin vitro腱・靭帯分化誘導におけるシングルセル解析2021

    • 著者名/発表者名
      吉本 由紀、山家 新勢、宿南 知佐
    • 学会等名
      第39回日本骨代謝学会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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