研究課題/領域番号 |
21K09250
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河本 旭哉 神戸大学, 医学部附属病院国際がん医療・研究センター, 特命講師 (30420558)
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研究分担者 |
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
竹森 俊幸 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20884456)
森下 雅之 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30814321)
原 仁美 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40437489)
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨肉腫 / 肉腫幹細胞 / がん幹細胞 / 治療標的 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,骨軟部肉腫におけるがん幹細胞研究を推進すべく,我々が作製に初めて成功した人工骨肉腫幹細胞を用いて,骨肉腫の腫瘍発生・増生,再発・転移,治療抵抗性に関わる因子を解明し,新規治療標的の同定および治療戦略の開発を行うことである. ヒト骨肉腫由来細胞株MG63にレトロウイルスベクターを用いて,OCT3/4,KLF4,SOX2の3つの遺伝子を導入した人工骨肉腫幹細胞MG-OKSとコントロール細胞MG-GFPを作製し,MG-OKS細胞において幹細胞関連マーカーの上昇,細胞増殖能の低下,細胞遊走能の上昇, スフェア形成能の上昇など,幹細胞としての特性を確認した.人工骨肉腫幹細胞MG-OKS,コントロールMG-GFP,親細胞MG-63をmicroarrayを用いて網羅的遺伝子解析を行ったところ,MG-OKS細胞においてMG-GFPおよびMG-63よりも10倍以上発現の上昇がみられた遺伝子が200個以上検出された.同遺伝子群の機能解析をGene ontologyを用いて行ったところ,主に骨肉腫との関連が考えられている上皮系分化・増生に関わる遺伝子がMG-OKSで発現上昇していることが確認された.現在解析にて確認された発現上昇遺伝子群について,治療標的になりうる因子の検討を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究内容およびその検討にて当初予定していた通り進展していると考えている.先行研究で作製に成功した人工骨肉腫幹細胞を作製し,網羅的遺伝子解析にて非常に興味深い遺伝子群の発現上昇が確認された.今後進めるべき検討も考慮出来ており,本研究の進捗はおおむね順調と考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の本研究の推進にあたっては,人工骨肉腫幹細胞の安定した作製が必須であり,引き続き細心の注意をもって行っていく.本研究の目的としている骨肉腫に対する新規治療標的の同定,治療開発に向けて,網羅的遺伝子解析で確認した発現上昇遺伝子の機能を評価し,siRNAや選択的阻害剤等を用いた発現抑制による骨肉腫細胞への影響について,まずin vitroでの検討を行い,さらにin vivoでの評価も行っていく予定である.また,骨肉腫臨床検体における同遺伝子群の発現に関しても行いたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は研究計画の中で主にin vitroの実験が中心となったため,当初計画にあった動物を使用するin vivoの実験系は行わなかった.そのため計画よりも使用額が少なかった.次年度はこれまで行ってきたin vitro実験系とともにin vivo実験を並行して進める予定であり,計画通りの使用額となる予定である.
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