現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は,予定していたステム設置アライメントとマイクロモーションおよび応力分布の解析を中心に解析を行った.手術前後のCTデータを用いて三次元画像ソフト(Mimics ver. 22, Materialise, Belgium.)を用いて大腿骨を三次元構築し,三次元モデリングソフト(3-matic Research 14, Materialise, Belgium.)を用い,当大学病院のTHA症例の術前大腿骨モデルに術後大腿骨をマッチングし,申請者らが構築した大腿骨近位髄腔軸座標系でステム設置アライメントを評価した. 症例ごとの大腿骨の骨密度を反映可能な有限要素解析ソフト(MECHANICAL FINDER ver. 11, Research Center of Computational Mechanics,Japan.)にCTデータを取り込み解析した.解析は弾性解析で,マイクロモーションを大腿骨とステムの接触面の要素節点における変位の差とした.但し,大腿骨とステムの接触面に摩擦係数を設定し,大腿骨遠位部を完全拘束する.ステム設置アライメントとマイクロモーションの術後大腿骨への影響に関して術直後から術後一年の単純X線像と比較し,ステムの初期固定性を評価した. 上記マイクロモーションに加えて,弾性解析で大腿骨の応力分布も評価した.ステム設置アライメントと応力分布の術後大腿骨への影響に関して,術後2年から3年のX線像の骨萎縮,骨透亮像や骨肥厚と比較し,ステムの長期固定性への影響を評価した. 上記研究内容に関してデータ解析を行い,英語論文を執筆して投稿中である.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響で実験に遅れが生じ,論文投稿に至るまで時間を要したため,現在までの進捗状況としてはやや遅れていると考えられる.
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