研究課題/領域番号 |
21K09268
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
綿貫 宗則 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (90451575)
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研究分担者 |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (90436139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨軟部肉腫 |
研究実績の概要 |
軟部肉腫は軟部組織に発生する非上皮性悪性腫瘍であり、健常組織をつけて腫瘍を摘出する広範切除術が標準治療である。軟部肉腫と健常組織の境界を見極めることは切除縁を設定するのに重要だが、手術中にその境界をみつけ、判断するのは難しい。本研究では、ヒト指用に開発されたアーク型光音響トランスデューサーを用い、ラット脂肪組織炎症モデルおよびヒト軟部肉腫周囲の脂肪組織の光音響特性と病理組織所見を比較検討することにより、本装置の妥当性および臨床応用の可能性について検討し、最終的に軟部肉腫の術中切除縁評価が可能な3次元光音響装置開発を目指すものである。 昨年度は、当初の計画ではラットを用いた脂肪組織炎症モデルを用いて脂肪に適したレーザー波長の探索を行う予定であったが、肉腫モデルマウスを作成し観察を行うほうが、合目的と考えられ、研究に用いる肉腫株の選定、培養条件の最適化と投与する色素の最適化の探索を行った。 今年度は、選定した肉腫株の培養を行い、安定した継代を行った。肉腫モデルマウスを作るべく免疫不全マウスに肉腫株の移植を行ったが、肉腫の生着を安定して得ることが難しく、安定した生着が困難であった。移植する部位や深度、またはマウスの種類によっても生着の成否が変わる可能性があり、それらの変更を検討しつつ実験継続中である。また、ヒト軟部肉腫周囲の脂肪組織の光音響特性と病理組織所見を評価するのに必要な、軟部肉腫症例の蓄積も並行して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画ではラットを用いた脂肪組織炎症モデルを作成し、炎症によって変化した脂肪に適したレーザー波長の探索を行う予定であった。しかし、肉腫モデルマウスを作成し観察を行うほうが、合目的と考えられ、肉腫株の培養を行った。しかし、肉腫株が安定してマウスに生着せず、免疫不全マウスの種類を変更しながら継続している状態である。そのため当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
免疫不全マウスの種類を検討して肉腫モデルマウスを確立し、観察を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、今年度に引き続いて細胞培養の継続、そしてモデル作成を行うため、マウスや試薬購入が必要となるため、次年度使用額が生じた。使用計画としては、細胞培養の試薬の購入、比較的高額な免疫不全マウスの購入、などである。
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