研究実績の概要 |
1.変形性関節症におけるKLF-15の役割を調べるために、タモキシフェン誘導型の軟骨特異的Creマウス(Col2a1-CreERT2 transgenic マウス)とKLF15-floxed/floxedマウスを交配させ軟骨特異的KLF-15ノックアウトマウス (Col2-CreERT2/ KLF-15flox/flox)を作成した。4週令の軟骨特異的KLF-15ノックアウトマウスに対して5日間連続でタモキシフェン腹腔内投与を行った後に10週でこれに軟骨の研究分野では頻用され我々もこれまで用いているDMM (destabilization of the medial meniscus) モデルを作成した。 2.軟骨特異的KLF-/-, KLF+/+の2群に対しDMMモデル作成後1日、1週、4週、8週でsacrificeし組織を回収し以下の項目を検証した。 a. 画像的評価 マイクロCTを用いマウス膝関節における関節症性変化を画像的に評価したところ8週でWTとKO群で有意にKOでのOA変化が増強した。b. 組織学的評価 軟骨基質分解酵素 (MMP3,MMP13)、 炎症関連マーカー (IL-1beta, p-IKK), アポトーシスのマーカーであるTUNEL染色行ったところKLF-15 KO群で、変形性関節症組織において軟骨基質分解、炎症、アポトーシスを介した軟骨組織異化作用が亢進した。 3. 軟骨組織特異的KLF-15ノックアウトマウスより単離培養した軟骨細胞をIL-1betaで刺激し、KLF-/-, KLF+/+の2群間で軟骨基質分解酵素MMP-3,13やIKKなどの炎症関連物質の発現をqPCR, Western blot法で比較するとKLF-15KOより単離した細胞ではIL-1 beta刺激により軟骨基質分解酵素や炎症関連物質の発現は増強した。
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