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2021 年度 実施状況報告書

IL-6とオステオカルシンを介した筋骨連関に効果的な運動療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09288
研究機関久留米大学

研究代表者

松瀬 博夫  久留米大学, 医学部, 准教授 (70461465)

研究分担者 志波 直人  久留米大学, 医学部, 教授 (20187389)
高野 吉朗  国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (20439574)
橋田 竜騎  久留米大学, 医学部, 講師 (40754841)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード有酸素運動 / 抵抗運動 / マイオカイン / オステオカイン / 筋骨連関
研究実績の概要

体組成計を用いた骨格筋量(四肢、体幹)、体脂肪量、Phase angle、基本的な身体機能(握力、下肢筋力、歩行速度、Five-repetition chair stand test)の測定を試行した。また、骨密度は、放射線被ばくの問題と測定費用の問題から超音波を用いた超音波骨伝搬速度(SOS)と超音波骨減衰係数(BUA)を採用した。さらに、機能的な筋質の評価として大腿直筋と中間広筋の仰臥位安静時と仰臥位で500g重錘を下腿遠位で持ち上げ膝を伸展させた時の収縮時筋厚、それぞれの値から算出した筋収縮率、それぞれの筋のエコー値を測定した。
予備調査の結果、筋質を反映するといわれるPhase angleは、年齢、筋量、身体機能、筋厚と関連性を認め、骨質を反映するといわれるSOSとBUAは筋量(四肢、体幹)や身体機能と関連性を認めることを確認できた。しかし、SOSとBUAはPhase angleとの関連性を認めず、多変量解析でも同様の傾向を示した。このことから、筋質を反映するPhase angleと骨質を反映するSOS、BUAは間接的に関連していると推測される。また、エコー値は、筋力やSMIだけでなく、SOS、BUA、Phase angleともに関連性を認めることかた、身体機能の指標となりえると推測できた。いずれにしても筋と骨の量的な関連性と質的な関連性に違いがあることから、マイオカインやオステオカイン、運動に対する反応性の違いへの影響を検討する意義があると考察される。
介入研究に向けて、男女、各年代の被検者候補者の募集を開始した。また、運動前後の変化は、マイオカインはIL-6、BDNF、オステオカインはオステオカルシン(低カルボキシル化オステオカルシン含む)、スクレロスチンを解析することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19感染拡大によって、研究期間での業者の立ち入りや患者以外の立ち入りの制限が繰り返されたため、研究準備を進めることに支障をきたし、さらに、被検者に対する介入日を具体的に計画することができなかった。本研究では、採血を繰り返すことによる体液を含めた感染リスクと呼気ガス分析(臨床検査でも一時期中止)によるエアロゾルによる感染リスクが高いと判断した。医療機関以外での介入も検討したが、検体の適切な取り扱いと介入時の安全管理の問題などから不適切と判断し、COVID-19感染拡大状況が改善するまで介入を見送った。そのため、研究での評価内容の確認、予備的調査や血液検査、呼気ガス分析の準備などに留まった。

今後の研究の推進方策

令和4年度は、研究参加の同意を得た男女、各年代の被検者に対して、身体機能評価、呼気ガス分析、血液検査(ベース値)を実施し、各評価項目間の関連性、特に筋質や骨質に影響する因子をマイオカインやオステオカインを含めて解析する。
続いて、各被検者の嫌気性閾値を基準に運動強度を設定し、エルゴメータを用いた有酸素運動を30分間実施、運動前後に採血を実施する。運動強度の違いによる運動後のマイオカインやオステオカインの反応性の違いを検討するために、運動強度が嫌気性閾値上となり、嫌気的解糖系が優位となるために、エルゴメータ負荷ではなく、表面電気刺激を併用して運動負荷を高めることとする。エネルギー代謝は、運動前後に乳酸を測定することで客観的に評価する。運動強度の異なる2種類の運動をクロスオーバーデザインで実施することで、運動強度の違いが運動後のマイオカインやオステオカインの反応性に与える影響を解析する。
メカニカルストレスの影響に関する検討準備として、下肢への重力荷重を減じた側臥位エルゴメータでの運動、または、上体をハーネスで牽引する免荷装置を利用したトレッドミル上での運動を検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、COVID-19感染拡大による活動制約から被検者に介入がほぼ実施できなかったため、研究協力費による謝金や血液検査委託費が発生しなかった。また、学会はウェブ開催であったため、旅費を使用しなかった。
次年度に、今年度実施できなかった分まで含めて介入実験を実施するため、今年度使用しなかった予算を研究協力費による謝金と血液検査費用に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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