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2022 年度 実施状況報告書

IL-6とオステオカルシンを介した筋骨連関に効果的な運動療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09288
研究機関久留米大学

研究代表者

松瀬 博夫  久留米大学, 医学部, 教授 (70461465)

研究分担者 志波 直人  久留米大学, 医学部, 教授 (20187389)
高野 吉朗  国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (20439574)
橋田 竜騎  久留米大学, 医学部, 講師 (40754841)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード筋骨連関 / 筋質 / マイオカイン / オステオカイン / メカニカルストレス / 有酸素運動
研究実績の概要

20歳から87歳までの男女(男32、女43)75名(平均49.歳)の筋力、筋量、筋質、骨量、骨質と骨代謝マーカー、マイオカイン、オステオカイン、AGE、そして代謝機能との関連性を調査するために、各因子間のSpearman順位相関係数を算出した。
加齢に伴い、これらは変化することが報告されているが、本解析結果では、年齢は、筋力、筋量、骨格筋量(骨格筋指数)、骨量・骨質(超音波伝搬速度、超音波減衰係数)、糖代謝、脂質代謝、終末糖化産物(AGE)、骨形成マーカー、マイオカイン(IL-6)と有意に相関していた。一方で、オステオカインであるオステオカルシンとマイオカインであるBDNFとは有意な相関関係を認めなかった。
筋骨連関の解析としては、オステオカインであるオステオカルシンとマイオカインであるIL-6との相関関係は有意傾向であった。また、筋質の指標とされる大腿四頭筋のエコー値は、年齢、筋力、筋量、骨量・骨質、25OHビタミンD、ペントシジンと有意に相関していた。
代謝機能との関連性の解析として、肝繊維化を反映するFIB4 indexとの関連性を解析したところ、糖代謝や脂質代謝に加え、ペントシジン、低カルボキシル化オステオカイン(ucOC)、1・25OHビタミンD、IL-6、筋量、筋質、骨量・骨質と有意な相関関係を認め、、また、筋収縮率や筋力との関係は有意傾向であった。
以上の結果から、筋骨機能は、量質ともに代謝機能と関連していると考えられ、運動に対する生体反応も代謝機能と関連していると推測される。したがって、運動効果を考える際は、代謝機能を考慮した運動が必要である。そこで、次年度は、運動介入前後の生体反応(マイオカインやオステオカインの分泌刺激)への代謝機能の関連性を解析することによって、代謝機能改善に効果的、効率的な運動様式を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

過去二年間(令和3年、4年)のコロナ禍により、感染拡大リスクの高いと考えられる臨床でも実施が一時中断されていた呼気ガス分析による最大酸素摂取量の測定と運動介入の実施が困難な状況が続いたため、介入実験が実施できませんでした。
COVID-19の感染状況の変化の予測ができない中でも比較的実施可能であった血液生化学検査によるマイオカインやオステオカインと身体機能、筋質などとの関連性の解析を実施することで、運動介入実験の開始に備えています。

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき、重力によるメカニカルストレスの異なるエルゴメーター(仰臥位と側臥位)を利用した有酸素運動負荷前後のマイオカインやオステオカインの変化を解析する運動介入実験を実施します。
その後、電気刺激で筋収縮を強化した運動前後のマイオカインやオステオカインの変化を解析します。
メカニカルストレスの差や筋収縮の差がマイオカインやオステオカインの分泌に与える影響の違いを解析することによって筋骨連関刺激に必要な条件を研究します。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に実施する予定であった運動介入実験が実施できなかったため、その実験に必要であった謝金や血液生化学検査料を使用しなかったため、次年度使用額が生じました。
特に、運動前及び運動後に数ポイント採血し評価する血液生化学検査料が主になります。

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公開日: 2023-12-25  

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