研究課題/領域番号 |
21K09293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊東 伸朗 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10731862)
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研究分担者 |
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80529040)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | FGF23 / くる病 / 骨軟化症 / 後縦靭帯骨化症 / 異所性骨化症 / 腱付着部症 / 神経障害 / 関節可動域制限 |
研究成果の概要 |
X連鎖性低リン血症性くる病(XLH)は、PHEX遺伝子バリアントによって生じるFGF23関連低リン血症性くる病の中で最も高頻度の疾患である。成人XLHでは後縦靭帯骨化症などの異所性骨化症を生じ、QOLを低下することが知られている。我々は成人XLH25症例において、全例で詳細な画像検査を実施し、後縦靱帯骨化症が32%(一般成人2-4%)、股関節骨棘形成が96%(一般成人15.7%)と高頻度であることを確認した。また成人XLH30症例において5歳以下の早期治療介入群と、以降の後期治療介入群でこれら異所性骨化症の頻度に差はなく、慢性低リン血症が病因ではないことを間接的に明らかとした。
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自由記述の分野 |
整形外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成人XLH患者において、異所性骨化症による神経障害や関節の可動域障害はQOLを著しく低下させる合併症であるが、その原因が依然として明らかとされていない。今回の検討において、成人XLHにおける異所性骨化症の具体的な頻度が明らかとなり、成人XLHの多くの症例が同病態によって社会活動を制限されていることが明らかとなった。また治療介入時期の違いによって異所性骨化症の程度に差がなかったことから、これまでに開発されてきたFGF23などを標的とした低リン血症の治療では、異所性骨化症の改善にはつながらず、まずは異所性骨化症がなぜ生じるのかを明らかとすることが本病態の治療法の端緒となることを示すことができた。
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