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2022 年度 実施状況報告書

自家脂肪由来幹細胞シートを用いた革新的な巨大骨欠損再建法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09295
研究機関金沢大学

研究代表者

下川 寛右  金沢大学, 附属病院, 医員 (00882515)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードMasquelet法 / 自家脂肪由来幹細胞 / 自家腸骨移植 / 骨再建
研究実績の概要

本研究は骨欠損治療の1つであるMasquelet法に自家脂肪由来幹細胞(ADSCs)を用いることで、健常部への侵襲の軽減と骨癒合の促進を図る新たな治療法の開発を目指すものである。ラットを対象にMasquelet法を行った。まず右大腿骨に5㎜の骨欠損を作成し、創外固定を装着後、欠損部に骨セメントをスペーサーとして留置した。2週後に2回目の手術を行い、形成されたinduced membraneの中に骨移植を行った。このとき使用する移植片を①対照群(何も充填しない)、②人工骨、③海綿骨(両側腸骨より採取)、④ADSCsを付加した人工骨の4群に分類した。
前年度は、対照群、人工骨群に対して海綿骨群においてCTでの骨癒合率、組織学的な骨形成、Real-time PCRでの骨形成関連因子の発現が高いという結果をみとめ、ラットを用いた臨床に則した自家腸骨移植によるMasqueletモデルの作成に成功したと考える。このモデルの報告は前例のないものであり、学会発表も行った。
最終的な目標であるADSCsを用いたモデル作成については前年度より継続しているが、仮説していたような十分な骨癒合が得られておらず、膜形成の待機期間やADSCsの形状、培養の種類など、条件を変えながら試行錯誤してきた。結果、骨分化誘導培地を経て4週間培養することで骨癒合に有利となる結果が得られる可能性が示唆された。
現状は上記の骨分化誘導培地ADSCsモデルでの骨癒合率を検証中であり、今後は組織評価(免疫染色含む)、Real-time PCR評価などで他の群との比較も進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定ではADSCsを人工骨に付加することで骨癒合が得られることを期待していたが、実際には骨癒合を得ることができなかった。
ADSCsをシート化して付加する方法や骨分化誘導培地の使用、膜形成待期期間の調整など、条件を変えながら適切なモデルを模索していたため、予定よりも多くの時間と資源を要することとなった。

今後の研究の推進方策

今年度は骨癒合に有利なADSCsモデルの最適な条件の模索に多くの時間と資源を要したが、骨分化誘導培養の使用によって実験が前に進み始めている。
今後はCTでの骨癒合率を評価した上で、組織評価、Real-time PCR評価などを他群と比較しながら検証していく予定である。
また、ADSCsモデルにおいては、ラベリングによりADCSが組織的に骨再建部に留まっているかどうかの検証、免疫染色(マーカーは血管増生を評価するためのCD31および骨形成関連因子であるオステオカルシン)での評価、可能であれば力学的評価によって客観的な骨強度の評価なども追加したいと考える。

次年度使用額が生じた理由

本年度はADSCsモデルの作成に時間を要したために免疫染色試薬やラベリング試薬などの購入が後回しになった点、初年度からの繰り越しが多く残っていたことなどが考えられる。
次年度はこれらの用途の必要性が生じてくる可能性が高く、また追加実験を要するなど当初よりも時間と物資を必要としている状況であるため、次年度への繰り越しとし、ラットや試薬の購入費等として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自家腸骨移植を用いたラットMasqueletモデルの作成2022

    • 著者名/発表者名
      下川 寛右、松原 秀憲、濱田 知、引地 俊文、土屋 弘行
    • 学会等名
      第37回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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